2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K17988
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
須賀 朋子 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (50743085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 対人暴力 / 動物虐待 / アメリカ / オーストラリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は2つの研究計画に取り組むことができた。 1. 対人暴力と動物虐待に関する、海外の文献研究を行い、第15回日本セーフティプロモーション学会で、口頭発表を行った。アメリカでは、1997年に獣医師会が動物と人間への虐待が疑われた場合、適切な機関に報告する呼びかけが始まっている。また、1999年には獣医師368名に、動物虐待の定義に関するアンケート調査も行っている。さらに、2015年にMcDonald らが、DVと動物虐待は同時発生的に起きていることを研究で明らかにした。 オーストラリアでは、アメリカの研究を参考にして、2005年に獣医師185名を対象として、動物虐待の定義と、どのくらいの割合で動物虐待を診察しているかの調査を行っている。また、アメリカとオーストラリアの調査では、「動物を虐待する人は、子どもも虐待をすると思うか」や「動物を虐待する人は配偶者を虐待する可能性が高いと思うか」など、動物虐待と対人暴力の関係性も、獣医師に調査をしていることが、海外の文献調査からわかった。それらのことについて、学会で発表を行うことができた。また、アメリカの獣医師養成大学では、授業のなかでDVSPという、動物虐待を発見した時に、家庭内暴力も疑い、クライアントを助け出す助言を行うように教育していることも、学会で発表を行った。 2. 日本でも、動物虐待と対人暴力が、同時発生的に起きているかどうかを調査するために、DV被害者シェルターのスタッフにインタビュー調査(北海道内)を3名、行うことができた。また、実際に、子ども虐待を受けたと同時に動物虐待を目撃している被害者7名にインタビュー調査ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナまん延防止を考えて、計画をたてているため、初年度は、海外の文献研究に重点を置くことを念頭において、5年間計画にしてあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、学会発表でおこなった、海外の文献研究を、総説で投稿論文にしているところである。日本での「対人暴力と動物虐待」のインタビュー調査を続けて、分析を行い、10月の第16回日本セーフティプロモーション学会で発表を行う。獣医師へのアンケート調査の作成を始める。
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Causes of Carryover |
新型コロナまん延防止で、遠方への調査を控えたため。
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