2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K17988
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
須賀 朋子 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (50743085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | DV / 動物虐待 / シェルター / ペット |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2つの研究計画に取り組むことができた。 1. 第16回日本セーフティプロモーション学会で、「米国のDVとペットの関係性の調査結果と、日本のDVシェルターへのインタビュー調査」という題目で口頭発表を行った。発表の内容は、昨年度、実施した、DV被害者シェルター、3か所のスタッフと、DVや子ども虐待の被害者でありながら、動物虐待も見て育った被害者7名へのインタビュー調査の結果を発表した。米国の調査と同じように、「ペットを置いて逃げるわけにいかない」、「シェルターにペットを連れて行ってもよいか」という問い合わせは、日本のシェルターに寄せられていることがインタビュー調査から明らかとなった。このことから、日本でもDVと動物虐待は同時発生的に起きていることを、学会発表のなかで報告をした。ペットのことが心配で、シェルターに避難することを躊躇することが多いのは、一人暮らしの高齢女性が多いことも発表をし、学会発表の場で意見をもらうことができた。北海道内3か所のDVシェルターをインタビュー調査をしたところ、1か所は試験的に、シェルターの1室を、ペット同伴可にしている報告も行うことができた。しかし、ペット不可のシェルターでは、「ペットは不可です」と電話で告げると、そのまま連絡がなくなることや、ペットを置いて逃げてきても、「ペットが心配」で、3日程度で、家に戻ってしまう被害者の方が多いことも、学会で問題提起として報告をした。 2. 「対人暴力と動物虐待の関連についてのアンケート調査」を作成し、獣医学部の学生236名から回答を得ることができた。現在、英語での論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度のインタビュー調査(DVシェルタースタッフ、DV被害者)を、学会発表の場で研究報告できた。また、アメリカ、オーストラリアの文献を参考にして作成をした「対人暴力と動物虐待の関連についてのアンケート調査」を作成し、獣医学部の学生236名から回答を得られたため、次年度の論文執筆につなげることが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年度、学会発表を行った、DVシェルタースタッフへのインタビュー調査と、DV被害者の方へのインタビュー調査の結果を、日本語で論文にまとめて、酪農学園大学研究紀要に投稿をする。 2.獣医学部生に行った236名の「対人暴力と動物虐待の関連についてのアンケート調査」を英語で論文を執筆して、受理されるまで粘る。
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Causes of Carryover |
学会発表が、本学開催であったため、旅費が必要でなかったため。
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Research Products
(1 results)