2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K17992
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
藤高 和輝 京都産業大学, 文化学部, 助教 (50876662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トランスフォビア / 現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も、日本におけるトランスフォビアの現象学的分析を進めた。具体的には、2022年4月号『思想』において論文「トランス・アイデンティティーズ、あるいは「名のなかにあるもの」について」を発表した。また、トランスフォビアを分析する上で重要な文献であるサラ・アーメッド「ハンマーの共鳴」を『現代思想』紙上において翻訳・解説し、また、未邦訳の文献ゲイル・サラモン『ラティーシャ・キングの生と死:トランスフォビアの批判的現象学』を紹介、解説する論考を『現代思想』に掲載した。また、2023年4月以降に刊行する編著において、二編の論考を提出した。以上から、当初の研究計画に沿って、順調に研究成果を輩出できている状況であると言える。トランスフォビアの問題は、現在、これまで以上に猛威を奮っており、2018年段階ではSNSを中心としたものだったが、ますます現実政治のレベルで影響を与えるものになっている。改めて、本研究の必要性が浮き彫りになっている状況と言える。 最後に、これまでの研究を一冊の単著にまとめる作業を現在進めており、かなりの部分を書き終えている段階であり、着実に研究を深化させていると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の想定以上に多くの論文等を発表・掲載できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を単著として完成させることを主要な目的として研究を継続・深化させる。また、可能な限り、トランスフォビア研究において重要な著作であるゲイル・サラモン『ラティーシャ・キングの生と死』の翻訳を進める。
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Causes of Carryover |
次年度の書籍代に充当するため。
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