2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K17992
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
藤高 和輝 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (50876662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トランスジェンダー / トランスフォビア / 現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度にひきつづき、トランスジェンダーに対する差別意識・ヘイト(=トランスフォビア)を現象学の視点を用いながら研究した。とりわけ、論文「パスの現象学―—トランスジェンダーと「眼差し」の経験」『フェミニスト現象学』(ナカニシヤ出版)においては、サルトルの「対他身体論」を用いて、トランスが他者の眼差しをいかに経験しているか、そのリアルを哲学的に解明する試みを行い、そのような経験から、社会の構造に埋め込まれているトランスフォビアがどのように具体的に働いているのかを分析・解明した。 また、書評論文「町田奈緒士『トランスジェンダーを生きる : 語り合いから描く体験の「質感」』〈還元〉に抗する語り」『GRL Studies』vol. 5, pp. 100-102. 及び「【総括】「能動/受動」を超えて、そして、いかに?」『GRL Studies』vol. 5, pp. 110.を執筆、掲載し、そのなかで町田氏と研究交流をもつ機会を得た。そこで得たアイディアや視点は本研究においてひじょうに重要なものとなった。 また、2024年2月16日に行われた 「『フェミニスト現象学』出版記念ワークショップ(第3パート)」においては、本研究の問題点や課題も浮き彫りになり、今後の研究を進める指針を得る機会となった。 そして、これまで「トランスジェンダーの哲学的研究」を行ってきたが、これまでの研究を単著にまとめる作業を進めた。順調にいけば、本研究の完成年度である2024年度に出版できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画していた翻訳作業に関しては、かなり進捗に遅れてしまっている。この間に、日本国内におけるトランスフォビアが拡大・流行し、それに合わせて、日本のなかでの独自の展開により焦点を合わせた分析が必要になったためである。当初の計画から若干のずれはあるものの、これまでの研究を単著にまとめるめどが立つなど、おおむね順調に進展していると言ってよい状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を単著にまとめることを中心に本研究を推進していく。と同時に、まとめた後、本研究に残る課題を整理し、その課題から新たな研究を構想していくこととしたい。
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Causes of Carryover |
当該年度における研究を進めていく内に、本研究における新たな課題を発見したため、その課題を解決する文献等の費用に充てるため。
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