2021 Fiscal Year Research-status Report
予防歯科の動機付けのための口腔セルフケア支援ツールのデザインと評価
Project/Area Number |
21K18009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋田 直繁 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10708415)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔ヘルスケアデザイン / プロダクトデザイン / デザイン評価 / フレイル予防 / 予防歯科 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自己関心度が低い人や歯周病の自覚症状がない人の意識改善のために、デザイン思考を用いて、口腔モニタリングツールをデザインし、それらのツールが生活者の口腔ケアに対する意識へ及ぼす影響を評価することで、口腔の健康に対する自己関心度を向上させるためのツールのデザイン指針を導出することを目的とする。 令和3年度は、歯垢染め出しライティング歯ブラシの設計と試作を行い、それを用いた実験の方法を検討した。 具体的には、まず、市販の電動歯ブラシの替えブラシについて、その形状や材料を調査し、本試作に適したものを選定した。次に、研究協力者が光誘導蛍光定量法による技術(歯垢にその光を照射すると、中に含まれるポルフィリンをピンク色に発色させる技術)を応用して開発した口腔内細菌検出ライトの部材と替えブラシ部の接合方法を検討した。そして、その光が口腔内を効果的に照らすことができるように設計を行い、3Dプリンタ等を用いて実験用の歯垢ライティング歯ブラシを製作した。 また、実験方法については、行動変容に関する既往研究を調査したうえで、その実験方法を検討した。具体的には、歯垢ライティング歯ブラシと市販の歯ブラシを各グループの被験者にそれぞれ一定期間使用してもらい、それらの製品の利用が歯磨きの習慣化や歯垢や歯石が溜まる場所を重点的に磨くような志向性を伴う行為の発生に影響を与えるかどうかに関して、アンケート等を用いて調査する計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、令和3年度は「口臭センシングマウスシールド」と「歯垢染め出しライティング歯ブラシ」を製作する予定であった。しかし、本研究費採択後、マウスシールドはシールドと口の隙間が大きい構造となっており、飛沫の拡散・ばく露防止ともに効果が限定的であるという理由から、それを日常的に使用する生活者が少なくなったため、デザインする対象として適切ではないと判断し、「歯垢染め出しライティング歯ブラシ」を主なデザイン対象として研究を進めた。 「歯垢染め出しライティング歯ブラシ」の試作・検討では、歯垢染め出しライトの光を口腔内に適切に照射する構造を考案し、口腔内の歯垢を可視化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、歯垢染め出しライティング歯ブラシと市販の歯ブラシを用いて被験者に一定期間使用してもらい、それらの製品の利用が歯磨きに対する意識や行為に影響を与えるかどうかを実験し分析する。また、口腔内を映し出すミラー型ディスプレイを用いた実験方法を検討する予定である。
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