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2021 Fiscal Year Research-status Report

作業性に優れ、着心地が良い医療用防護服の研究

Research Project

Project/Area Number 21K18011
Research InstitutionOkayama Prefectural University

Principal Investigator

舩山 俊克  岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (30612668)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords生地 / KES / パターン / 防護服 / 筋電図 / 着心地
Outline of Annual Research Achievements

作業しやすく、着心地の良い医療用防護服の研究を行う。医療用防護服(以下、防護服)は、感染を防ぐことを目的として開発されてきた経緯から、安全性に特化した製品が多く、作業のしやすさや着心地について十分な研究がされてきたとは言えない。今市場にあるものは全て使い捨ての製品であるため、安全且つできるだけ安価なものとして開発されている。しかし、それを着て行われる作業は医療行為を中心に、繊細な業務内容を含む専門的な動作が多い。作業がしやすく、着心地が良い防護服があれば、より快適に安心感を持って専門的作業を行えるものと考える。本研究では、防護服を構成する生地の力学的特性と、その原型(パターン)について調査・分析し、作業しやすさと着心地の良さを強化した理想的な防護服の研究を行う。これまでにも、防護服に関係する研究は多数存在し、特にここ数年でも新たな発表が続いている。着心地について検証している論文も確認されるが、その一方で、生地の力学的特性および原型を対象として、それらを向上させるような検討を行った研究については確認されなかった。本研究の、学術的独自性と創造性は、生地の力学的特性と原型に着目した研究である点である。一般的に衣服を構成する要素は、「生地」「原型」「縫製」の3点である。これらの内、着心地に直接関係するのは、生地と原型の2点であり、それらの相互作用で衣服を着た時の作業性も大きく変化する。本研究では、防護服に適した「原型」の形状と「生地の力学的特性」の組み合わせを明らかにしたい。現時点で、防護服に用いられている不織布の力学的特性の計測と、動きやすさに特化した原型の抽出、およびそれを用いた第1試作が完了している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は「作業しやすく、着心地の良い医療用防護服の在り方」を明らかにすることである。そのために、衣服を製作するために必要な、生地と原型、縫製のうち前者二つの項目を主に研究対象とする。現時点において、現在使用されている防護服の生地に対して、KES(Kawabata Evaluating System)による力学的特性の計測と、パターンの第1案の製作と試作まで完了している。力学的特性については、引っ張りや圧縮など複数の値を計測したが、その中でも着心地に関係する要素として摩擦に着目した。摩擦に影響を与える要素として、生地表面の形状が深く関係していると考えている。次にパターンに関しては、運動用衣服のパターンを利用することで、着心地の向上を目指す実験を行なっている。着心地の向上を数値として客観的に捉える方法はまだ確立されておらず、特に、防護服のように重ね着が前提な衣服の場合においては、条件が複雑になる。そこで本研究では、激しく動く(運動する)ことを前提に製作されている運動用衣服に着目し、そのパターンを参考にすることで、動きやすい衣服の研究を行う。動きやすい衣服に、摩擦の影響が少ない生地を用いることで、着心地に向上につながると考えているからである。複数の運動用衣服を着用し、その中でも最も動きやすいと感じられる衣服に関して、そのパターンを抽出する。既存の防護服に用いられている不織布を、そのパターンでカットし、縫製することで従来とは異なるパターンでつくられた防護服の試作を行う。動きやすさの指標としては、筋にかかる負荷の値を計測し、値が大きなもの、つまり負荷が多いものを動きにくいと判断する。現時点では、パターンの抽出からカット、縫製までが完了し、次に筋電図の計測を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

現段階において、研究の冒頭部分と環境づくりの一部が完了している。本研究は、大きく3つの段階に分けることができる。まず第1段階は、現状分析として、既存品の生地の力学的特性の計測および原型の形態の抽出である。次に第2段階として、筋電計測を用いた動作分析を行い、最後に、理想的な生地と原型を用いた防護服の試作を行う。このうち、本年度は第2段階と、その結果を踏まえた上で、もう一度第1段階に戻り、第1と第2を繰り返し行うことで最終試作の精度向上をはかる。動作分析には主に筋電計測を行う予定であり、現在は乾式のものを用いて体表から計測する機器を使用する。その際に、計測する対象部位および対象動作に関して、複数の先行研究から精査し、内容を詰める。特にコロナ禍になり、一般の人が防護服を利用する機会が増えたため、従来のように医療従事者だけを対象とするのではなく、幅広い人を対象とした内容に変更するべき部分があると考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 着心地を考慮した作業時衣服の研究2021

    • Author(s)
      舩山俊克
    • Organizer
      OPUフォーラム

URL: 

Published: 2022-12-28  

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