2021 Fiscal Year Research-status Report
Layered Recovery Landscape in Sanriku Coast Settlements
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21K18012
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
佐藤 布武 名城大学, 理工学部, 助教 (60785525)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 復興景観 / 漁村 / 津波 / 東日本大震災 / 集落 / 変遷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在の三陸沿岸部の風景から過去の津波被害の痕跡や軌跡を収集し「津波復興景観」として位置付け、過去から現在に至る三陸沿岸部での様々なトライ&エラーを可視化することで、未来に向けた持続可能な沿岸漁村への基礎的知見を得ることを目的とする。 まず、1. 三陸沿岸漁村の残存集落を把握し、東日本大震災以前の集落構成が残る集落の絶対量および分布状況を明らかにする。その上で、それら残存集落の、2. 明治・昭和・チリ津波後の復興事業との対応関係を把握する計画である。 そこで、初年度となる2021年度は、研究対象である三陸沿岸漁村の概略を捉える基礎的調査を実施した。三陸沿岸漁村のうち、石巻以北宮古以南の地形の起伏が比較的緩やかな地域を対象にした調査を実施した。具体的には、明治津波および昭和津波の復興地域を事前にプロットした地図を作成して現地巡検調査を行うことで、過去の津波からの復興履歴の残存状況を把握した。 また、本研究では、3. 東日本大震災による市町村ごとの復興事業を整理や、4. 東日本大震災での復興支援とその後として、復興景観の背景にあるヒューマンヒストリーを把握することも目的としている。こちらに関しては、具体的な進捗には至っていないものの、研究の全体像の構想を進めることで、具体的な今後の研究計画の道筋をたてる作業を行った。研究計画に基づきより詳細な調査研究を蓄積していくための準備が済んだ状況と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も新型コロナウイルスの蔓延に伴い、出張が直前でキャンセルとなるなど、順調に経過したとは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、三陸沿岸漁村に残存する集落を対象に、過去から現在に至る「震災復興景観」の積層を明らかにするものである。そのために、2022年度以降も、以下の3つの対象の調査を予定している。 1. 残存集落調査・津波痕跡の発掘|残存集落調査および過去の津波痕跡の発掘は、地道なフィールドワークを重ねることで、地図に情報を重ね合わせる形で調査を蓄積して行く。 2.東日本大震災による復興事業の整理|東日本大震災による復興事業の整理に関しては、市町村ごとの復興政策の違いの調査や、高台移転地に関する調査を蓄積する。 3. 復興支援とその後|2021年度は、 東日本大震災での復興支援とその後として、復興景観の背景にあるヒューマンヒストリーを把握する調査に特に注力をする予定である。 以上の各対象研究を、着実に進行させて行く予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルス拡大のため、当初予定していた出張を直前にキャンセルすることが複数回あった。
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