2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of an AI defibrillator with automatic arrhythmia control by deep reinforcement learning
Project/Area Number |
21K18036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富井 直輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00803602)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電気的除細動 / 致死性不整脈 / 強化学習 / in silico学習 / 心臓光学マッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低侵襲かつ確実な適応的除細動の原理実証を目的として、心臓標本に対する除細動の強化学習実験システムの構築を目標とする。本システムでは、深層強化学習モデルを搭載した刺激制御装置を用いて、心臓標本の心室心外膜表面に装着した複数電極信号に基づいて心臓への適応的なペーシング刺激を行い、その結果生じる細動の発生・停止にもとづく報酬によって、より効果的な刺激条件の学習が可能な実験システムを構築する。さらに、複数の高速度カメラを用いた3次元パノラマ光学マッピングの同時計測によって、学習された適応的なペーシング刺激による除細動の機序を検証する。 本課題は研究実施計画として①数値シミュレーション上での適応的除細動実験、②刺激制御装置の製作、③ウサギ摘出心標本における適応的除細動実験の3項目の目標を掲げている。初年度である本年度では、①および②において原理検証が完了した。①においては、20mm四方の2次元数値モデル上で誘発した複数の旋回興奮に対して、6極程度の電極から与える通電刺激のタイミングを訓練した結果、学習初期のランダムな刺激に比べて除細動成功率が有意に上昇することが確認された。②においては、VTを誘発したウサギ摘出標本に対して、安定した固定が可能な透明樹脂電極と、計測信号にもとづき通電刺激タイミングを制御する組込み計算機システムを開発し、3次元パノラマ光学マッピングの同時計測による通電刺激効果の検証が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題では①数値シミュレーション上での適応的除細動実験、②刺激制御装置の製作、③ウサギ摘出心標本における適応的除細動実験の3項目の目標を掲げ、初年度である本年度は①および②において原理検証が完了した。①においては、20mm四方の2次元数値モデル上で誘発した旋回興奮に対して、仮想電極をランダムに6極~10極配置した。各電極による模擬計測信号を算出し、また電極信号から刺激タイミングを選択する強化学習モデルには、Q関数と方策関数を同時に学習するDPG法を用いた。シミュレータ上での10,000回の除細動の試行の結果、初期のランダムな通電刺激に比べて、学習済みモデルによって除細動成功率が有意に上昇することが確認された。一方で電極数が増加した場合に、行動空間が拡大することで学習の収束性が低下する課題が確認された。②においては、VTを誘発したウサギ摘出標本に対して、双極電極を埋め込んだ透明樹脂電極を接着剤で固定する方式によって、安定的に心臓標本の電極信号の計測および通電刺激が可能であることを確認した。さらに、電極計測信号を増幅して組込み計算機に取り込み、通電刺激トリガを生成する適応的除細動システムを開発し、遅延時間1ms以下で適応的刺激が可能であることを確認した。さらにトリガ信号による3台の高速度カメラとの同期によって、3次元パノラマ光学マッピングとの同時計測による通電刺激の効果検証が可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である2022年度は、①数値シミュレーション上での適応的除細動実験の完了、および③ウサギ摘出心標本における適応的除細動実験の初期検討に取り組む。①について、初年度に行った検討をもとに、より実際の心臓標本に近い環境でのin silico学習の検討を行う。初年度の検討の中で得られたウサギ摘出心臓標本の3次元表面形状モデルをもとに、組織境界形状および心筋線維走向をシミュレーションモデルに導入し、実際に透明電極で貼り付け可能な8極程度の電極による除細動モデルをin silico強化学習によって訓練し、結果として確実な除細動が可能なモデルが学習されるか否かを検証する。さらに、同じ電極による細動状態の誘発モデル(催細動モデル)の訓練を行い、除細動モデルとの敵対的強化学習が実現可能であるかを検討する。このようにして学習したAIモデルを初年度に構築した②刺激制御システムの組込み計算機に搭載し、実際の心臓標本上での除細動の強化学習を追加学習することで、③:実際の心臓標本上での強化学習実験の初期検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初、数値シミュレータを用いた強化学習の検討にGPUワークステーションの購入を予定していたが、初年度の2021年度の検討は研究室の共通設備の計算機サーバによる検討が可能であったため購入を見送った。2022年度は、専用のGPUサーバおよびストレージを購入する予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] SIMULTANEOUS ULTRA-HIGH RESOLUTION OPTICAL MAPPING AND CATHETER MAPPING IN A LANGENDORFF-PERFUSED SWINE HEART MODEL TO IDENTIFY ATRIAL FIBRILLATION ROTORS BY CATHETER MAPPING2021
Author(s)
Hiroshi Nakagawa, Masatoshi Yamazaki, Naoki Tomii, Hiroshi Seno, Shunsuke Kuroda, Shubhayu Basu, Meir Bar-tal, Nobuteru Takamiya, Jamie L. Malinaric, Hiroyuki Tsukihra, Ayman A. Hussein, Walid I. Saliba, Oussama M. Wazni, Ichiro Sakuma, Warren M. Jackman.
Organizer
Heart Rhythm 2021
Int'l Joint Research
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