2021 Fiscal Year Research-status Report
透析用カテーテルの機能不全を防止する自動制御装置の開発
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21K18045
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高橋 良光 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20632805)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 透析用カテーテル / 機能不全 / 脱血不良 / 自動制御システム |
Outline of Annual Research Achievements |
年々血液透析患者は増加傾向にあり、また高齢化に伴う血管の狭窄や閉塞など様々な合併症が、今後さらに増加する。透析治療に必要な血液透析用カテーテル(以下カテーテル)は、血管壁の吸引、血栓の形成などにより治療を中断することがある。このカテーテルの機能不全(以下機能不全)により患者は、①心不全の出現や透析効率の低下、②血液凝固による血液喪失、③カテーテルの入れ替えに要する侵襲的処置のリスクが増大する。これらは、患者の生命予後に影響することから重大な問題である。これまで申請者が考案したブタ血管と血液を用いたカテーテルの評価システム(以下評価システム)を転用し、機能不全を防止する制御装置(以下制御装置)の開発ができる可能性が高い。血液透析治療中のカテーテルの機能不全による治療の中断は、血管壁の吸引、血栓の形成が原因でいずれも治療が中断する。本研究では、カテーテルの機能不全の発生原因を解明し、血液回路内の圧力を血液流量を制御する回路にフィードバックすることにより瞬時に血液ポンプの回転数を自動的に制御し血流量を調整することで治療の中断を防止することを目的としている。そのために、以下の2点について検証する。 ① 治療の中断に至る機能不全を自動的に改善する血液ポンプの制御装置の評価 ② 治療の中断に至る機能不全を自動的に改善する血液ポンプの制御装置の開発 現時点では、これまでの研究の成果としてカテーテルの機能不全の評価システムが確立されたためカテーテルの評価は実現している。これからは、カテーテルの機能不全を防止する自動制御装置の条件について模索する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カテーテルが機能不全に陥った際に必要な自動制御システムを評価するための装置の開発に遅れが生じたため、やや遅れている現状である。電子部品が安定して共有できなかったことが要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
カテーテルが機能不全に陥った際に必要な自動制御システムを評価するための装置を用いて、カテーテルが機能不全を起こした場合にどの条件で機能不全を改善し安定した治療に復帰できるのか評価する。この評価結果をもとに、血液回路内の圧力変化に伴い血液流量をどの程度制御することが適切かどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
本研究に用いる評価システムの部品供給が遅延したことにより、本研究に遅延が生じたことや国内の人の移動規制による影響のためである。今後、部品供給網を確認したうえで様々な供給先を確保しながら進めていく。また、予定していた国際学会がオンライン開催になったことも要因の一つと考えられる。
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