2022 Fiscal Year Research-status Report
透析用カテーテルの機能不全を防止する自動制御装置の開発
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21K18045
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高橋 良光 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20632805)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 透析用カテーテル / 機能不全 / 脱血不良 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血液の回路内圧力の変化に伴い血液ポンプの回転数を制御する制御システムを参考に、血液浄化療法用のカテーテルが引き起こす機能不全を効果的に改善する制御システムの開発を目的とし、既存のカテーテルの評価システムを代用して評価した。 カテーテルをブタ血管に挿入し、治療用の回路内に流れる流量を血流量(以下Qb)とし、150 mL/minで37 ℃の50 %グリセリン溶液を循環させた。ブタ血管内に流れる流量を循環血流量(以下Qv)とし、遠心ポンプを用いて約800 mL/minで37 ℃の50 %グリセリン溶液を循環させた。静脈血管は容量依存的に中心静脈圧(以下CVP)が変動するため、ブタ血管内のCVPを 5~10 mmHgで推移するように調整した。開発した制御装置は、血液回路内の圧力の変動によりローラポンプを制御するために外部信号制御部に接続した。制御の流れとして、血液ポンプが回転すると脱血側の回路は陰圧を示すが、機能不全が起きていない状況では安定した圧力であるため血流量は設定値と同じである。一方で,カテーテルが機能不全を起こすと制御装置が陰圧を検出し、血液ポンプの回転速度を減速するように制御する。この過程で機能不全が改善されれば、血液ポンプ速度を設定血流量まで加速するように血液ポンプの回転数を制御する。本研究成果により、 ①Qbによって機能不全を回避できる場合とそうでない場合があった。 ②血液ポンプの制御条件によって、機能不全を回避できる場合とそうでない場合があった。 今回は実験的に限られた条件をもとに検証したため、得られた結果には限界がある。しかしながら、今回、脱血圧が過度な陰圧を呈する前に血液ポンプの制御をかけることは望ましい可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カテーテルが機能不全に陥った際に必要な自動制御システムを評価するための装置の開発に遅れが生じたため、やや遅れている現状である。電子部品が安定して共有できなかったことが要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに進める。
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Causes of Carryover |
当初計画通りに研究用資材を入手することが出来なくなったことが要因であると考えられる。状況が改善したことから、当初の計画通りに進める。
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