2021 Fiscal Year Research-status Report
高精度機能的MRIの実現に向けた統合的脳機能画像補正法の開発
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21K18046
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
高野 一輝 藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (70806075)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機能的MRI / echo planar imaging / 幾何学的歪み / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能的磁気共鳴画像法(functional MRI:fMRI)による脳機能計測では、神経活動に伴う 血行動態応答が惹起する僅かな磁化率効果を信号変化として検出するため、磁化率効果に鋭敏で高い時間分解能を有する echo planar imaging(EPI)が用いられる。EPI は、静磁場の不均一による影響を受けやすく、磁場不均一に起因する幾何学的歪みや空間解像度の低下など、画質の劣化が問題となる。これらの問題は、fMRIにおいて本来の脳活動部位と 脳機能画像上の不一致を引き起こし、誤った情報を提供する可能性がある。本研究では、人工知能技術を用いたアプローチにより、EPI 画像の画質を劣化させる主な要因である幾何学的歪みと空間分解能に着目した画像補正法の開発を行った。2021年度は、MR画像シミュレータを用いて、ランダムな静磁場不均一環境下でシミュレートしたデジタル脳ファントムの EPI 画像とその磁場均一性マップの組み合わせを一定数生成し、画像データベースの構築に取り組んだ。また、人工知能技術の一つである敵対的生成ネットワークを用いてEPI画像から磁場不均一マップを推定するモデルの開発を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的な半導体不足により、想定していた高性能ワークステーションの購入が遅れているが、既存の環境を併用することで、一定数の画像シミュレーションを終えることができ、EPI 画像から磁場不均一マップを推定する人工知能技術の開発に取り掛かることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
画像データベースのデータ数を増加させるため、引き続き画像シミュレーションを実施する。また、人工知能技術により磁場不均一マップの推定精度を向上させるモデルを構築し、その推定精度を検証する。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足によりコンピュータ製品の納期が遅延しており、年度内に購入予定だった高性能ワークステーションの購入が間に合わなかったこと、コロナ禍の影響で旅費等の支出が行われなかったことに起因する。コンピュータ製品の価格高騰も考慮し、繰越金を合算して、高性能ワークステーションの購入費に充当する予定である。
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