2021 Fiscal Year Research-status Report
膵島移植に向けた取り出し可能な細胞カプセル化デバイスの開発
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21K18050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小沢 文智 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (00739120)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵島移植 / ハイドロゲルカプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
膵島移植は重症インスリン依存性糖尿病に対する画期的な治療法ではあるが、絶対的なドナー不足が最大の課題である。ドナー不足という問題を抜本的に解決するために、異種細胞やiPS細胞を利用した新たな移植療法の実現が強く望まれる。近年は、iPS 細胞の効率的作製が進み、分化誘導により機能的な膵島を調整することが可能になってきたが、これを移植療法として実用化するためには、移植細胞に対するホストからの反応を抑制することと、カプセル化した膵島の安全性を担保することが必要である。そのためのアプローチの1つとして細胞をハイドロゲルや半透膜などの免疫隔離膜にカプセル化して移植する方法がある。本研究では、高効率に細胞を充填できるハイドロゲルカプセル化デバイスを作製し、ホストからの異物反応の抑制とカプセル化した細胞の長期機能維持を兼ね備えた取り出し可能な細胞移植片の開発を目指す。 初年度は、マイクロ流体デバイスを用いて、アルギン酸ゲルをシェルとしたコアシェル型ハイドロゲルカプセルを作製し、ゲル表面をコーティングすることで異物反応が抑制できるかを検討した。アルギン酸ゲル表面をPEGコーティングすることで、従来の直径 1 mm のアルギン酸ゲルファイバーよりもさらに異物反応が抑制される傾向が示唆された。また表面コーティングすることで生体内での機械的安定性が良くなることもわかった。現在は、細胞をカプセル化したファイバーに対して同様の妙面コーティングを行い、異物反応が抑制される傾向にあるかを評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた、デバイスの作製及びデバイスのコーティングに関して概ね順調に進展している。今後は膵島をカプセル化しin vitro/in vivoで機能評価を行なっていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実際にヒト細胞由来膵島もしくは異種細胞由来膵島をデバイスにカプセル化し、in vitro/in vivoで機能評価を行なっていく。まず、in vitroで十分に機能を発揮するのを確認したのち、糖尿病モデルマウスへ移植しin vivoでの機能評価を行なっていく。 また、HeLa細胞をカプセル化したデバイスを作製し、免疫不全マウスへ移植し、腫瘍形成の有無を確認することで安全性試験を行なっていく。
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Causes of Carryover |
購入を予定していたポンプの納品が年度またぎになってしまいそうになり、購入を見合わせたため。
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