2022 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノイド形態形成解析のための三次元制御・計測プラットホームの構築
Project/Area Number |
21K18061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 温 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい研究員 (30883657)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3Dバイオプリンティング / オルガノイド / 細胞初期配置 / キューブ培養器 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内の組織あるいは臓器に似せたミニ臓器(オルガノイド)を疾患治療や創薬,再生医療に応用展開すべく,実際の組織形状により近く,複雑な形状をとるオルガノイドの創出が期待されている.これまでにオルガノイドは,細胞間相互作用を利用した細胞の自己組織化によって組織形成が行われてきたが,自己組織化する過程で実際の組織形状と大きく異なる問題があり,組織の最終形状をデザインして作製する方法は確立されていない.そこで本研究課題では,3Dバイオプリンターを用いて3次元培養空間に細胞とハイドロゲルを3次元的に配置して,細胞の初期配置を制御・計測して培養する方法を構築することで,オルガノイドの最終形状をデザインする培養システムの確立を目的としている. まず,キューブ培養器内に細胞とハイドロゲルを設計通りに配置して,3次元培養する方法を構築した.3Dプリントで造形した水溶性鋳型を使い,コラーゲンゲルに形成した間隙空間内にヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を接種して培養することにより,HUVECの細胞組織をつくることに成功した. さらに,キューブ培養器を複数の方向からスキャンすることで,HUVECの細胞組織画像を4倍レンズによる観察ながら広域(3-4 mm)にわたり取得することができた.加えて,これら取得画像を計測することで,HUVECの細胞組織の形状と寸法が設計通りであることや細胞組織が管状の血管様構造を形成したことが明らかになった.コラーゲンゲルに形成した間隙空間表面に水溶性鋳型のコーティング残渣が付着したことで,間隙空間内に配置した細胞がハイドロゲル内部に侵入できない課題は残ったが,ハイドロゲル内での細胞配置の制御性は飛躍的に向上した.以上より,複雑な形状をとるオルガノイドの創出に向けた,細胞の初期配置制御と培養した細胞組織のイメージングおよび計測の基盤技術の開発を達成した.
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Research Products
(1 results)