2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K18069
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
山田 直生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 助教 (00837370)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光線力学療法 / 5-アミノレブリン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、候補となる分子の合成とその生物学的機能評価の前試験に着手した。合成に関しては、いくつかの合成経路の検討を重ねたのち、目的物を安定的に得られる合成経路を確立した。現在、スケールアップが可能かどうかを検討中である。得られた候補化合物のがん細胞内でのPPIXの産生量を評価したところ、候補化合物Xについて5-アミノレブリン酸と同等のPPIX産生量を確認した。さらにその細胞内での代謝経路に着目し、細胞内グルタチオンの濃度を測定したところ、無処置群と比べ細胞内グルタチオンが大幅に減少していることを確認した。これは効率的なPDTにつながる可能性があり、細胞内グルタチオンの変化についても今後調査していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補化合物の合成経路を確立し、かつ得られた候補化合物が細胞内で機能することを示唆する結果を得ている。これは初年度の結果としては予定通りであり、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、得られた候補化合物の機能評価を行う。具体的にはHPLCを用いた水溶性や反応性の評価、培養細胞を用いた光増感剤の産生能の評価やPDT治療効果の評価を行い、実験の進捗状況に応じて実験動物を用いた機能評価まで進める予定である。
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Causes of Carryover |
候補化合物の合成などに多くの予算を使用予定であったが、手元にある試薬で合成がうまくいったため、その分の費用を次年度に持ち越している。持ち越した分の予算は、より詳細な機能評価(例えば、候補化合物の膜透過性を評価するためのアッセイなど)に使用する予定である。
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