2021 Fiscal Year Research-status Report
術前経胸壁心臓超音波検査による麻酔導入時低血圧予測及び予防法の確立
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21K18072
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
多羅尾 健太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70815092)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 導入時血圧 / 術前心エコー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は全身麻酔時の導入時低血圧の経胸壁心エコーパラメーターを含むリスク因子を明らかにすることである。全身麻酔中の低血圧は患者の予後悪化に関係することが多くの知見から明らかでありリスク因子をさらに明らかにすることで予後改善につながると考えられる。 後ろ向き研究において、虚血性心疾患が特に導入時低血圧に関連していることを明らかにして論文化し採択された。さらに研究者は当院で実施された成人予定患者に関して前向き観察研究を実施した。データ収集可能であった症例は1600例でありその内、経胸壁心エコー実施症例はおよそ400例であり、当初の予定通りのデータ収集が可能であった。 現在解析を実施中であり、研究結果によって術前評価によって導入時低血圧を予測できるのみならず、全身麻酔薬の種類や昇圧薬の種類によってどの程度低血圧に寄与しているかについても明らかにすることが可能であり、研究結果の全身麻酔方法への与える影響は大きいものと考えられる。術前心エコーは現在ガイドラインでは実施は推奨されていないものの本研究の結果によってはどのような患者に実施するべきかより明確に示せる可能性がある。研究結果は速やかに論文化、学会発表を行い社会に還元できるように準備中である。また今後は低血圧ハイリスク症例における麻酔導入時ノルアドレナリン投与による血圧制御法有効性評価の前向き介入研究を計画し実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021度に導入時低血圧と術前心エコーの関連についての後ろ向き研究に関する論文が採択された。2020~2021年度にかけて前向き観察研究の1600例分のデータ採取が終了しており2022年度は解析、論文作成に着手する。
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Strategy for Future Research Activity |
前向き観察研究に関しての論文および学会発表に関して予定通り推進する。
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Causes of Carryover |
当初の計画していた画像解析装置は既存のシステムを応用して実施可能であったため、次年度使用額が生じた。次年度では論文投稿費、学会発表費、英文校正費などに使用される予定である。
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