2023 Fiscal Year Annual Research Report
予防医学の発展に向けた深層生成モデルによる人体の経年変化予測
Project/Area Number |
21K18073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 寿一 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10780067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 拡散モデル / 老化予測 / 頭部MRI / 全脳容積 / ニューラルネットワーク / 成人人体 / 不確実性評価 / サンプリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像(MRI)に写る健康な成人人体の経年変化を予測(=老化予測)することを目的とする。例えば、現在の人体を撮像したCT画像を1つ入力すれば、尤もらしい未来の人体を写すCT画像を1つ出力できるシステムを確立する。このため、与えられた画像が生起する確率分布をモデル化し、偽物だが現実的な画像を大量に生成できる深層生成モデルを応用する。1年目と2年目においては、フローベース深層生成モデルを採用し、頭部CTに写る人体をモデル化し、老化予測を試行してきたが、3年目(最終年度)においては、確率的デノイジング拡散モデル(DDPM)を採用し、頭部MRIに写る人体の老化をモデル化した。具体的には、過去の複数の医用画像で条件付けして未来の人体を予測生成できるDDPMを新規に開発した。本手法の新規性として、(1)過去7年間の人体頭部を写した多数のMR画像から未来の人体頭部を表すMR画像を予測(多点予測)するのみならず、それらの画像から得られた全脳容積などの量について、(2)ほぼ未来1点での比較に限られている、先行研究と異なり、7年先の未来までの多点で定義される量と予測された画像から得られた量を比較することで、モデルの予測精度を評価したこと(多点精度検証)を挙げる。加えて、条件付きサンプリングの初期ノイズを意図的に変更することにより、多数の、あり得るが相異なる未来の人体を予測できるフレームワークを開発した。本研究では、予測精度を妥協せずに、大きなサイズの3次元医用画像を扱うため、随所に工夫を施し、fp16演算の採用、モデル並列化の積極的な検討も実施した。なお、予測精度の検証を含めた本研究の成果は、近日中に論文として公開する予定である。
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