2021 Fiscal Year Research-status Report
肺病変の検出を目的とした胸部単純X線画像と深層学習を組み合わせた差分技術の開発
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21K18082
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
清水 陽一郎 山口大学, 医学部附属病院, 診療放射・エックス線技師 (70896836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医用画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は研究を行う上で重要なプログラムの実行環境の整備を行った. 深層学習を行う上で,高性能な画像処理演算装置 (GPU) を搭載したコンピュータが不可欠である.そこで採択初年度である本年は,深層学習用のコンピュータを購入し開発環境の整備を行った.開発環境の整備と並行して,本研究に使用する画像の選別を行った.本研究では,正常な病変を含まない胸部単純X線画像を大量に学習させたネットワークに,病変を含む画像を入力することで,病変を含まない画像を生成させ,入力した病変を含む画像から生成した病変を含まない画像を差分することで,病変部を強調するシステムの開発を目指している.本研究では正常な胸部単純X線画像が大量に必要である.所有している画像データベースから,明らかに異常がある画像や,ボタンや下着のホックなどの異物がある画像は研究対象から除外した.選別を行った結果,約20,000枚の画像を研究対象とすることができた.選別した画像はプログラムで実行できるフォーマットに変更するなどの前処理を行った.画像生成用の敵対的生成プログラムは交付決定前から作成に取り掛かっていたが,実際に実行すると期待した解像度の画像が得られないなどの不都合な点ががあったので,現在は他の手法を用いることを模索している. また,日本放射線技術学会の秋季学術大会に参加し,最新の深層学習に関する研究に触れると同時に,他の研究者と情報交換も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定していた手法では,高解像度の画像が得られないことが判明した.敵対的生成ネットワークが生成した画像の高解像度化に関する報告は多くあるので,それらの報告を参考にすることで,生成画像の解像度の向上を現在目指している.
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Strategy for Future Research Activity |
できるだけ早い時期に画像生成プログラムを作成し,生成した画像の物理評価を行うことと,病変を含む画像と生成した画像の差分画像を作成し,病変の描出能の評価を行いたい.その後に視覚評価を行い,結果を学会や論文で発表する予定である.
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