2022 Fiscal Year Research-status Report
重粒子適応難治性骨軟部肉腫の早期発見・局所制御バイオマーカーの新規高感度探索
Project/Area Number |
21K18091
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
相場 俊樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 研究員 (50759008)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エピゲノム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
希少がんである骨軟部腫瘍の中でも、軟骨肉腫と一部の軟部肉腫は中高年以降に多く、残された最後の治療法ともいえる重粒子線治療を適応しても、5年全生存率はいまだ低い。そこで本研究では、重粒子適応難治性骨軟部肉腫の早期発見及び局所制御に資するバイオマーカーを探索する。具体的には、DNAメチル化変化などのエピゲノム変異に着眼した。特に近年、DNA脱メチル化機構の中間体が発がん過程で重要な役割を担っていることが示唆されている。そこで、応募者らがこれまでに開発してきた高精度・高感度メチル化大規模解析法をDNA脱メチル化機構の中間体検出用に新たに改変し、高精度・高感度メチル化大規模解析法とともにこれを重粒子適応難治性骨軟部肉腫の解析に適用することで、早期発見・局所制御に資するバイオマーカーを探索する。 今年度は重粒子適応難治性骨軟部肉腫のうち軟骨肉腫と高悪性度紡錘形細胞肉腫に関して、高精度・高感度メチル化大規模解析法によるデータ取得を開始した。まずパイロットスタディーとしてそれぞれの疾患で局所制御不良患者、良好患者各3名を解析した。その結果、軟骨肉腫と高悪性度紡錘形細胞肉腫の両疾患で共通して制御不良郡で低メチル化もしくは高メチル化しているすなわち重粒子適応難治性骨軟部肉腫における制御不良のマーカー候補を見出すことに成功した。またそのうちの一部に関して、インフォマティクスを用いて遺伝子部位の推定した後、シークエンサーにて同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年9月より現在の研究部に異動し、それに伴い実験室の整理や引っ越しを行わなければならなかったため、研究に割ける時間が減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室の整理や引っ越しが完了したため当初の予定通り重粒子適応難治性骨軟部肉腫のメチル化解析に関して検体数を増やして行うとともに健常人との比較を行う予定である。また前年度開発したDNA脱メチル化機構の中間体検出法に関して、マウス組織サンプルのゲノムDNAを用いて再度検証を行ったのち重粒子適応難治性骨軟部肉腫のヒトの血液DNAにて解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2022年9月より現在の研究部に異動し、それに伴い実験室の整理や引っ越しを行わなければならなかったため、研究に割ける時間が減少し、当初の予定よりも使用機器に用いた試薬量が少なかったため。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画については、当初予定していた通り重粒子適応難治性骨軟部肉腫患者ならびに健常人のメチル化解析、DNA脱メチル化機構の中間体検出法に関する再検証のために使用する予定である。
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[Presentation] 重粒子線治療効果の早期評価に資するバイオマーカーの探索2023
Author(s)
相場 俊樹, 篠藤 誠, 瀧山 博年, 山田 滋, 今井 礼子, 今井 高志, 辻 厚至, 辻 比呂志, 臺野 和広, 長谷川 純崇, 小藤 昌志
Organizer
日本薬学会第143年会
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[Presentation] 重粒子治療適応難治性腫瘍の早期発見及び局所制御に資するバイオマーカーの探索2022
Author(s)
相場 俊樹, 今井 礼子, 篠藤 誠, 瀧山 博年, 山田 滋, 辻 厚至, 辻 比呂志, 今井 高志, 臺野 和広, 柿沼 志津子, 今岡 達彦
Organizer
2022年度若手支援技術講習会