2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of suitable wavelength bands for remote blood glucose sensing based on multi-wavelength spectroscopy
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21K18106
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大岩 孝輔 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20781032)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠隔血糖値計測 / 多波長分光計測 / 非接触生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、可視・近赤外・赤外帯域で計測した多波長顔画像から遠隔で血糖値を計測するために適した波長帯域を探索することを目的とする。2021年度では、多波長分光計測システムの構築と可視・近赤外・赤外帯域での多波長計測による遠隔血糖値計測に適した波長帯域の探索の2点を実施した。 多波長分光計測システムの構築では、可視・近赤外・赤外帯域で多波長顔画像を計測するためのシステムを構築した。特に近赤外波長帯域での計測では、被験者の顔面に近赤外光を照射し、被験者の顔面で散乱した光を計測する必要がある。散乱光を的確に計測すべく、近赤外光源・光学素子・近赤外カメラなどの最適化を行った。可視帯域の計測には市販のWEBカメラを、赤外帯域の計測には赤外線サーモグラフィを用いた。上記検討の結果、可視・赤外帯域のほか、760~1100nmの近赤外波長帯域での計測を可能とするシステムを構築することができた。 可視・近赤外・赤外帯域での多波長計測による遠隔血糖値計測に適した波長帯域の探索では、上記システムを用いて計測した多波長顔画像から遠隔血糖値計測に適した波長帯域の探索を行った。具体的には、可視・近赤外・赤外帯域でそれぞれ計測した顔画像に対し独立成分分析および線形回帰分析を適用することで、それぞれの顔画像に基づく血糖値推定を行い、推定精度の高かった顔画像の計測波長帯域を遠隔血糖値計測に適した波長帯域として評価した。上記検討の結果、近赤外帯域にて計測した顔画像に基づく血糖値推定精度が高く、近赤外帯域が遠隔血糖値計測に適した波長帯域であることが示唆された。 2021年度の検討の課題として、近赤外帯域における計測波長帯域が限定されていたことが挙げられる。2022年度では近赤外帯域における計測波長帯域を760~1650nmに拡張し、2021年度と同様の手法で近赤外帯域における遠隔血糖値計測に適した波長帯域を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度では研究計画調書に記載したとおりの検討を実施することができ、上記成果を学会発表にて報告しているため、おおむね順調に進展していると考えられる。2021年度に実施した検討の課題として、近赤外帯域における計測波長帯域が限定されていたことが挙げられる。課題に対する対策として、近赤外光源および近赤外カメラの最適化が必要となるが、現時点で近赤外帯域における計測波長帯域を760~1650nmに拡張し、それらの波長帯域で顔画像を計測する体制ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度では、2021年度で課題となっていた近赤外帯域における計測波長帯域を拡張し、2021年度と同様の手法で近赤外帯域における遠隔血糖値計測に適した波長帯域を探索する。さらに、2022年度では2021年度に実施した研究成果を学術論文としてまとめ報告する計画である。
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