2023 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症に対する3Dプリンターを用いた外側ウェッジインソールの開発
Project/Area Number |
21K18110
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
大西 忠輔 城西国際大学, 福祉総合学部, 教授 (00720088)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インソール / 3Dプリンター / 3DCAD |
Outline of Annual Research Achievements |
フィラメント溶解製法(Fused Filament Fabrication:FFF)を採用した3D プリンタにより製作できるプロトタイプの足底装具(インソール)を開発した.今回はそのプロトタイプのインソールを実際に長期間使用することで,足底装具製作手法の確立に向けた評価・検討を行った. 今回の実験では,PLA樹脂フィラメント(Tough PLA)とPP樹脂にGW(glass wool)を練り込んだ繊維強化フィラメント(3DMagic)の2種類のフィラメントを用いて,フィラメント溶解製法3Dプリンタにより足底装具の製作を行い,実際に使用して調査を行った. 今回,Tough PLAフィラメント樹脂を用いて製作した足底装具は使用8日目に亀裂が入り破損したことにより,実使用においては,積層面の強度を強固にする必要があると考えられた.一方,3DMagicは長期使用により,足のアーチ構造を支える部分での形状変化が大きくなった.一方,手作りによる在来式のインソールと3D プリンタにより製作したプロトタイプの足底装具との比較も行っている.在来式のインソールと3D プリンタにより製作したプロトタイプの足底装具の比較では,足のアライメントの矯正効果について検討を行っている.この比較では,距骨下関節が10 度以上外反している後足部のアライメントが崩れていた足部に対してTough PLA および3DMagic で製作した足底装具は,従来式の足底装具と比較して,同等以上の矯正力を発揮していた.アライメント矯正においては,Tough PLA および3DMagic で製作した足底装具は,内側縦アーチおよび踵をしっかり正中位に保持することでアライメントが改善することが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィラメント溶解製法(Fused Filament Fabrication:FFF)を採用した3D プリンタでのフィラメントの選択において難渋している。特にインソールのような体重負荷に対して変形せず、湿気を伴う特殊な環境に適した素材選びが難しいため。
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Strategy for Future Research Activity |
Tough PLAフィラメント樹脂を用いて製作した足底装具ではインフィルの変更やデザインの変更により、強度を高めることを今後検討している。また、3DMagicは長期使用により,形状変化が大きくなることから,形状変化の大きい部分での強化を図るため、特に足のアーチ部分を補強するデザインや後付けで補強できるパーツの開発を今後検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度に前倒しで購入した3Dプリンターや 3次元CADソフトのSOLIDWORKS(ソリッドワークス) アカデミック版が当初の購入予定学より安く購入できたたのが、次年度使用額が生じた理由である。使用計画としては、3Dプリンターの材料代として使用する予定である。
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