2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K18119
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
関口 博巨 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (60460127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆 政明 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (10747182)
泉水 英計 神奈川大学, 経営学部, 教授 (20409973)
岡 美穂子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30361653)
久留島 典子 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (70143534)
吉澤 達也 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (90267724)
森脇 優紀 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任助教 (90733460)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 南蛮屏風 / 下張り文書 / ポルト / エヴォラ / 常民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ソアレス・ドス・レイス国立博物館(ポルトガル・ポルト市)が所蔵する南蛮屏風(以下、ポルト南蛮屏風)を主たる対象として、日本から海外に持ち出された屏風(在外日本屏風)総体を総合的・資料学的に研究する方法を確立することにある。屏風や襖は、絵画・骨・裂・古文書(下張り文書)からなるいわば「複合資料」である。本研究は、歴史学・美術史学・建築史学・民具学・文化人類学・キリスト教史学・情報学などの学知や古文書修復などの経験知を総合して、ポルト南蛮屏風の国際的・学際的な研究に取り組もうとするものである。 海外に持ち出された屏風・襖の総合的研究は、文物の移動や人びとの交流に関する歴史の新たな一面を解き明かす可能性を秘めている。ポルト南蛮屏風以外にも在外日本屏風の存在は知られており、本研究の進展は、日本とポルトガルだけでなく、日本と世界の複雑な交流史・関係史に新たな光をあてる新領域の開拓に繋がるものと考えている。 令和3年度は、研究実施計画の6本の柱〈1.下張り文書データベースの構築と研究、2.ポルト南蛮屏風の来歴の調査と研究、3.在外日本資料の調査、4.美術史的研究、5.民具学的研究(絵引きの作成)、6.情報学的研究〉の基礎を据える時期であったが、コロナ禍のために、国外調査はもとより国内調査を実施することもできなかった。 そこで、研究分担者・研究協力者が情報を共有するための打合せ会を2回(7月18日、9月18日)、公開での研究会を1回(9月18日)、いずれもオンラインで開催した。公開研究会の報告は、泉水英計氏(研究分担者)「ポルト・エヴォラ屏風文書の予備調査報告」、関口博巨(研究代表者)「ポルト南蛮屏風下張り文書の紹介」、久留島典子氏(研究分担者)「エヴォラ屏風文書について―先行研究二書の紹介―」の三本であった。35名が参加し、活発な議論が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の調査対象はポルトガルに所在する南蛮屏風である。令和3年度における進捗状況の遅れは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大のために、国内外での調査、対面での打合せや作業が実施できなかったことによる。(ただし、オンラインでの打合せ会や研究会は実施できた。)
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Strategy for Future Research Activity |
基礎資料となるポルト南蛮屏風の下張り文書のほとんどは、シート状に糊付けされた「蓑張り」の状態で保管されている。これを資料として活用できるようにするためには現地での剥離作業が不可欠である。 令和4年度事業においては、この作業をできる限り進める必要がある。あわせて、研究実施計画の6本の柱〈1.下張り文書データベースの構築と研究、2.ポルト南蛮屏風の来歴の調査と研究、3.在外日本資料の調査、4.美術史的研究、5.民具学的研究(絵引きの作成)、6.情報学的研究〉を並行して推進したい。 とはいえ、補助事業期間の初年度にあたる令和3年度にこれらの作業に着手できなかったことは痛手である。いまだコロナ禍が収束していない状況でもあり、限られた年限の中で何ができるのか、研究分担者や研究協力者、ならびに調査先のポルト国立博物館と協議しながら、今後の調査・研究活動を進める必要がある。
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Causes of Carryover |
本研究の初年度にあたる令和3年度は、プロジェクトの基礎固めのため、国内外での調査、対面での研究会・打合せ・作業などを行う予定であった。ところが、新型コロナ感染症の流行拡大のために、ほとんどの計画は実施することができず次年度使用額が生じた。 令和4年度は感染症の流行状況はもとより、国際情勢を見定めながら、二年度分の調査・打合せ・作業などの計画を実行する予定である。
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Research Products
(3 results)