2021 Fiscal Year Research-status Report
化学における外挿探索を可能とする機械学習手法の開発と実証
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21K18185
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (80775388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 一学 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (10374597)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | 機械学習 / 不均一系触媒 / 文献データ / 触媒インフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
触媒をはじめとする材料化学研究は未だ「絨毯爆撃的なスクリーニング」から脱却できていない。研究者はこれまで、大量の実験データ・文献知・経験知を統合して、予測・仮説の形成を行ってきたが、年々増え続ける膨大なデータ・知見を咀嚼し、目的に対して適切な仮説を提供できる人材は皆無である。人知に基づく研究は限界を迎えており、データ科学の先進技術を導入して材料化学研究の在り方を刷新することが求められている。本研究では、外挿的提案を実現する機械学習モデルを開発し、革新的な高機能触媒の創出に資する研究方法論の提案を目指している。 初年度は、文献データを用いて、外挿的提案を実現する機械学習モデルの構築を目指した。構築したモデルでは、触媒構成元素そのものを学習に使うのではなく、その特徴量(原子半径、電気陰性度、融点等)と構成比の積を予測記述子(Elemental Descriptor)として用いることで、元々のデータセットに含まれている元素に縛られることなく有望な触媒候補元素を提案することが可能である。また、実際の触媒組成を提案する逆問題を解くためのアルゴリズムも作成し、新触媒の提案にも挑戦した。 予測だけでなく、機械学習モデルから化学的/物理的な示唆を得ることにも挑戦した。機械学習予測はしばしばブラックボックスと見られるが、解釈性の高い(教師あり)機械学習手法を使えば、対象系における性能制御因子(記述子)の重要度を半定量的に可視化することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
元々のデータセットに含まれている元素に縛られることなく有望な触媒候補元素を提案するという、外挿的な触媒予測を行う機械学習モデルを構築することができた。SHapley Additive exPlanations (SHAP)やFeature importance、Partial Dependence Plotといったツールを使った予測の説明も進めており、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
触媒分野においては特に、データ数が少なく、データの偏りが存在するデータセットを活用するデータ科学的手法が求められている。このような要請に応えられる機械学習モデルの構築を進めていく。特に、新触媒の提案に関しては改良の余地が大きく、より良い手法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、当初予定して学会発表がキャンセルとなった。次年度使用分は、2022年度に開催される学会用の旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)