2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞膜の局所ナノスーツ膜化による細胞内外ナノ観察のためのMEMS液体セル
Project/Area Number |
21K18190
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石田 忠 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80517607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 智広 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (30401574)
宮永 一彦 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40323810)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 細胞内観察 / 電子線透過膜 / リポソーム / 細胞融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①細菌のプロトプラスト化とその走査電子顕微鏡(SEM)観察と②細菌捕捉のためのナノ孔の開発、③細胞サイズリポソームの形成、④細菌の電気的細胞融合に取り組んだ。 ①細菌のプロトプラスト化とそのSEM観察: 枯草菌をリゾチームと反応させて完全に細胞壁を除去し、棒状から球状に形状が変わることを確認した。ナノスーツ液に枯草菌プロトプラストを混合し、SEM観察したが、プロトプラストをSEM観察することはできなかった。 ②細菌捕捉のためのナノ孔の開発: シリコン基板をTMAH溶液で異方性エッチングすることで、シリコン基板を貫通する孔を作った。シリコン基板の結晶欠陥やアンダーエッチングのために、開口が30 μm程度に拡がった。細菌の大きさが1 μm程度であることから、開口を微細化する必要がある。 ③細菌サイズリポソームの形成: 細菌と同サイズである1 μm級のリポソームを形成するため、10 μm以下の流路寸法のフローフォーカス構造を作製し、流路内部を疎水性と親水性で作り分けた。そのマイクロ流路を用いてリポソームを形成したところ、7 μm級の単分散性を有するリポソームが得られた。ただし、細菌サイズには届かなかったため、さらなる微細化と流量調整が必要であることが分かった。 ④細菌の電気的細胞融合:枯草菌をプロトプラスト化した上で、対向電極間に誘電泳動により数個レベルでプロトプラストの捕捉を行った。捕捉したプロトプラストにパルス電圧を印可したところ、プロトプラスト対を融合することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の要素技術が着々と出来上がってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①ナノ孔への細菌の捕捉、②局所細胞壁除去と細胞内部観察、③細菌級リポソームと細菌の融合技術を開発する。 ①ナノ孔への細菌の捕捉: ナノ孔を微細化してサブμmサイズの開口を形成し、そこに単一細菌を圧力差によって捕捉する。 ②捕捉しながらナノ孔を介してリゾチームで細胞壁を除去し、露出した細胞膜に電子線照射することで、細菌の細胞膜を局所的に電子線透過膜であるナノスーツ膜に改変する。このナノスーツ膜越しに細菌の内部SEM観察を行う。 ③細菌級リポソームと細菌の融合技術: マイクロ流路の微細化や流量調整、リポソームの分割技術を用いて、リポソームを1 μm程度まで微細化する。細菌内部構造は負に帯電しているものが多いため正に帯電した金ナノ粒子を含有したリポソームを形成する技術を開発する。これを細菌由来のプロトプラストと融合することで、細菌内部を金で標識する。
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Remarks |
日本機械学会 第34回バイオエンジニアリング講演会において、Outstanding Student Poster Presentationを受賞。
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Research Products
(7 results)