2023 Fiscal Year Annual Research Report
分子プローブによる環境中ウイルス粒子の検出・可視化技術の創製
Project/Area Number |
21K18207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 精一 東北大学, 理学研究科, 教授 (40281969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永富 良一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20208028)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ウイルス粒子 / エンベロープ / RNA / 蛍光プローブ / 検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a) 新規生細胞RNA染色蛍光色素として、世界トップレベルの高輝度モノメチンシアニン色素の開発を達成した(特許第7029841号)(ACS Omega, 2022)。また、核酸染色色素として汎用されているチアゾールオレンジが、生細胞RNA染色蛍光色素として機能することを見出した(Analyst, 2023;分析化学, 2024)。 (b) さらに、高輝度RNA染色蛍光色素の開発を進めた(仮出願番号:63/560,774、2024年3月米国出願)。新規に開発したRNA染色蛍光色素は、off-on型の優れたlight-up応答機能と膜透過性を併せ持ち、先に報告した高輝度モノメチンシアニン色素(ACS Omega, 2022)と比較して、更に高感度な生細胞RNA (核小体) イメージングが可能となった。また、赤色検出(> 600 nm)に対応しうる生細胞RNA染色蛍光色素を開発した(Talanta Open, 2024)。 (c) インフルエンザMタンパク質由来の両親媒性α-helixペプチドプローブが、ヒト風邪コロナウイルス (HCoV-229E) 検出に適用できることを見出した (日本分析化学会第71年会等で発表)。HCoV-229Eに対する検出感度は、Western blot法と比べて1桁高く、さらにA型インフルエンザウイルス検出にも適用できる。 (d) 上述した両親媒性α-helixペプチドプローブが、HCoV-229Eのウイルス感染力(感染価)評価に適用できることを見出した(第10回日本細胞外小胞学会学術集会等で発表)。評価に数日を要する従来法と比較して、本手法では、極めて迅速に感染力を評価できる(mix and read)。 (e) 本研究課題に関連して、RNAが脂質膜に内包された製剤 (ワクチン) の品質分析技術を提案した (PCT/JP2021/030716)。
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