2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel material, lectin-silk, using various types of fish lectins.
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21K18225
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杣本 智軌 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40403993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 繁行 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20406911)
小島 桂 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40370655)
佐藤 充 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90391565)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | レクチン / シルク融合タンパク質 / 病原細菌 / 魚類 / カイコ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はシルクと融合する魚類レクチンを選定するため、幅広い種類の病原菌に結合する魚類レクチンを探索した。既知の魚類レクチンの中で、グラム陰性菌と陽性菌の両方に結合するレクチン、また、シルクと融合させたときに、糖との結合活性が保持されるような構造を持つと予想されるレクチンを調査した。その結果、トラフグ由来のペントラキシン(PTX)、 ネコザメ由来のC-typeレクチン(HjCL)の2種類のレクチンを候補とした。はじめに、これらのレクチンの組換えタンパク質の結合性を確認するため、動物細胞での発現系により、組換えタンパク質を作製を試みた。コンストラクトは、Mycタグを付加したPTX(PTX-Myc)、HiCL(HjCL-Myc)および2種のレクチンをリンカーで繋いだもの(PTX-lin-HjCL-Myc、HjCL-lin-PTX-Myc)にシグナルペプチドを付加したもの、していないものを準備した。マウス培養T細胞DO-11.10にエレクトロポレーションで遺伝子導入し、各種レクチンコンストラクトの発現量を抗Mycタグ抗体を用いたウエスタンブロットで解析した。その結果、シグナルを付加したコンストラクトにおいて、組換えレクチンの高発現がみられた。これら発現した組換えレクチンのグラム陰性菌(A. salmonicida, A. hydrophila, E. tarda, F. columnare)及び陽性菌(S. parauberis, S.aureus)に対する結合をELISAで確認したところ、PTXは、グラム陰性と陽性の両方に結合することが分かり、特にA. salmonicidaとS.aureusに対して高い結合活性を示した。HjCLはPTXと比較すると活性は低いものの、A. salmonicidaに対して結合を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、シルクタンパク質と融合する魚類レクチンを選定することであった。トラフグ由来のペントラキシン(PTX)の組換え体は、グラム陽性と陰性の両方の細菌と結合することが示された。このことから、PTXは、幅広い病原体を捕獲する可能性をもつレクチンであり、レクチンシルクの素材として有望であると考えれる。以上のように、本年度の目的は達成されたことから、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、動物細胞の組換え体を用いた実験により、トラフグ由来のペントラキシン(PTX)とネコザメ由来のC-typeレクチン(HjCL)が複数の菌に対して結合活性を示すことが分かった。次年度は、遺伝子組換えカイコを作製を試みる。PTXとHjCLをそれぞれシルク繊維タンパク質であるフィブロインL鎖を連結させた遺伝子組換えカイコ作製用ベクターに組み込み、そのベクターをカイコ卵に注入し(G0世代)、G0世代同士を交配、次世代(G1)をマーカー遺伝子(DsRed2)の発現をもとに遺伝子組換え体の選抜を行う。G1世代以降にレクチンシルクを発現している繭を生産が可能となる予定である。その間、レクチンシルクの素材となる魚類レクチンの選定を引き続き実施する。また、レクチンシルクの完成を見越して既存のアフィニティーシルクを使用して、病原体除去デバイスの試作を実施する。
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Causes of Carryover |
本年度は、コロナ禍のため予定されていた打ち合わせができず旅費を使用しなかった。次年度は対面での実験手法に関する講習や打ち合わせを行う予定であり、旅費を増額する予定である。また、本年度の魚類レクチンの選定においては、予想以上に早く候補となるレクチンが見つかり、想定していたほどの消耗品を使用しなかった。次年度はさらに多くの魚類レクチンからレクチンシルクの素材となるものを選定する予定であるため、研究費を次年度に持ち越した。
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