2023 Fiscal Year Annual Research Report
Non-destructive measurement method that overcomes light scattering to determine the sex of chicken eggs in early incubation
Project/Area Number |
21K18228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 直 京都大学, 農学研究科, 教授 (20183353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 雄一 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20373285)
鈴木 哲仁 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00723115)
白神 慧一郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (80795021)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 鶏卵 / 画像解析 / 雌雄判定 / 散乱 / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまで黙認されてきた孵化直後の採卵鶏雄雛の70億羽殺処分という人類が抱える大きな未解決課題の解決を目的としている。そのために,雌雄と関係の深い鶏卵内の卵黄比率,性ホルモン変化,血液産生,心拍,胎動等の生物学的現象を,従来の透過分光だけでなく,微小な蛍光計測技術やレーザースペックル技術を活用した高度な非破壊計測技術を組み合わせた手法によって情報収集することを目指した。 これまでの知見から,本年度は血液(ヘモグロビン)産生量のみならず,血管形成速度にも雌雄で差が認められる可能性があると考え,血管の形態的な特徴が雌雄判別に利用できる可能性に着目した。このとき,可視光を照射すると,卵殻越しであっても胚や血管の影を目視することができるため,血管の形態は非破壊的に評価することが可能と考えた。そこで本研究では,Day 3,4 の卵の血管形態の特徴を画像計測から非破壊的に定量評価し,形態と雌雄との関係を探索した。孵卵3,4 日目の割卵後の胚血管の形態的な特徴量と,PCR によって決定した雌雄との関係を調べた結果,Day 3 の胚と血管の面積およびフラクタル次元は雄が雌より有意に高いことが分かった。一方,割卵前の卵の透過画像を用いて血管形態の特徴量抽出を試みたところ,卵殻による散乱が原因で,高いコントラストで血管領域周縁部の細い血管を認識することができなかった。また,卵殻中における水分の不均一性が原因で現れる斑点が血管の影に重なることで,血管形状の抽出が難しくなることがわかった。以上の結果から,非破壊計測による雌雄判定を実現するためには,Day 3 の血管成長の差異を評価できる分光法の改良や卵殻の特性を克服する計測手法が必要であるとの結論を得,それを克服する方法を開発し,特許として出願した。
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