Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
応募者は共感性の原初的形態である情動伝染が単純な神経回路を持つショウジョウバエでも起こること、情動伝染の表出が僅か一対のセロトニン作動性神経細胞で制御可能なことを見出した。本研究では、情動行動の構築メカニズムを明らかにすることを目的とし、セロトニン神経細胞とその標的神経細胞、さらに記憶中枢で構成される情動伝染回路を解剖学・分子生理学的に同定する。
本研究は情動伝染回路を同定することで、情動伝染の発達や障害機構を分子・シナプスレベルで明らかにすることを目指しており、情動伝染・共感性の研究を変革する可能性を持つ。本研究の成果は、情動伝染から共感性、社会性が進化する過程、共感性が喪失する仕組みを分子回路レベルで解明する新たな研究の礎になることも期待される。