2021 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的かつ脳深部へ適応可能な新規刺激法を用いたヒト記憶脳回路の解明
Project/Area Number |
21K18267
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
竹田 真己 高知工科大学, 総合研究所, 特任教授 (00418659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 潔 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50372363)
長谷川 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60282620)
地村 弘二 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80431766)
渡邊 言也 高知工科大学, 総合研究所, 助教 (90637133)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | 記憶 / 脳波 / 超音波 / 電気生理 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋集束超音波刺激を用いて、深部脳活動をコントロールした際の記憶パフォーマンスを検証することで、ヒトにおける記憶脳回路の因果的役割を解明する。(1)脳深部の内因性脳活動の位相にあわせた刺激が可能か、(2)刺激の効果範囲を十分に限定できるか、といった技術的課題をクリアするために、サルを対象に、経頭蓋集束超音波刺激の効果を経頭蓋と頭蓋内の両方の脳活動を同時計測して比較することにより検証する。本年度はヒトを被験者として経頭蓋交流電流刺激を用いた予備的試験を開始した。睡眠時徐波活動に対する同位相刺激に比べて逆位相刺激の方が、睡眠後の記憶成績がより低下することを確認した。この結果は、本研究の仮説である、刺激効果の周波数位相依存性を示唆するものである。また、サルを用いた経頭蓋集束超音波刺激のシステムの整備を開始した。ラットを用いた予備的試験も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備的試験として行った、ヒトを対象とした電流刺激実験では、睡眠時徐波活動に対する同位相刺激に比べて逆位相刺激の方が、睡眠後の記憶成績がより低下することを確認した。この結果は、本研究の仮説である、刺激効果の周波数位相依存性を示唆するものである。また、集束超音波刺激システムの選定を行い、2022年度に導入する予定である。サルを用いた実験では共同研究がスタートし、その予備的試験としてラットを用いた実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトを対象とした実験では、電流刺激の周波数位相依存性の有無をデータを増やすことで明確にする。合わせて、集束超音波刺激による実験を開始し、同傾向があるかを検証する。また刺激の特性を生かし、脳深部に焦点を変えて実験を行う。ラットを用いた実験も開始し、超音波刺激の脳内効果特性の予備的知見を集める。
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Causes of Carryover |
主要な物品費である経頭蓋集束超音波刺激装置を当該年度中に購入することが困難だったため。購入は2022年度に行い、必要な事務的手続きを進めている。
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