2021 Fiscal Year Research-status Report
母児概日リズム同期と次世代疾患感受性の多層多元的代謝リズムパネルからの理解
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21K18270
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40252457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 潤一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70306687)
宮下 和季 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (50378759)
木内 謙一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50528578)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2026-03-31
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Keywords | 概日リズム / 母児連関 / 液性因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日時計は、変動する環境に対し予測的に生体活動を適応させる生体恒常性維持機構であり、昼夜の明暗リズムを基盤に、摂食と空腹、睡眠と覚醒などによって修飾され、概日リズムを作り出している。時差症候群やシフトワークにより生じる概日リズム障害は、肥満症や糖尿病、心血管病の危険因子であることが疫学的に広く知られているが、その機序は必ずしも明らかではない。妊娠中の母体においても概日リズムの維持は、安定した周産期と児の成育に重要であると考えられ、実際にシフトワーカーの妊婦では低出生体重児が多いことが報告されている。この低出生体重は成人後の疾病のリスクであり、子宮内の児の発達により、児の将来の様々な疾患感受性が決定されることが示唆されている。しかし、母体の概日リズムが、胎児の発達および児の成育と将来の疾患感受性に与える詳細な影響は明らかではない。そこで本研究では、妊娠母体の概日リズム障害が、胎盤を通過する液性因子のリズム変調を介して、臓器形成、および、その後の疾患感受性を決定すると仮説を立て、液性因子を介した母児間のリズム獲得不全が仔の疾病発症に与える影響を、「代謝リズムパネル」を駆使して、多層多元的に解明することを目的としている。 C57BL/6マウスを妊娠期間中のみ、12時間明暗周期の環境下または、5日に1回、8時間位相を早めるサイクル(Continuous Phase Shift: CPS)で飼育した。両群の妊娠期間や出産個体数に有意差は認められなかったが、出生直後の児の体重は、CPS群で有意に低下していた。その後、オスの児を生後4週から12週にわたり、12時間明暗周期の環境下で低脂肪食負荷を行ったところ、対称群とCPS群の間に体重、脂肪重量、肝臓重量、糖負荷試験による耐糖能に有意差は認められなかった。今後、高脂肪食負荷を行い、CPSによる代謝の長期的影響を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験モデルの作成やサンプリングは比較的順調に進んでいるほか、妊娠中母体の概日リズム異常による仔への表現型が観察されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、網羅的リズム情報をパネル化した代謝リズムパネルを作成するため、仔の肝臓のトランスクリプトーム、メタボローム解析などを行う予定であるほか、妊娠中の母体と胎児の肝臓の解析も行い、母児間の同期現象や脱同調による臓器発達への影響を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
トランスクリプトーム解析やメタボローム解析といった、比較的高額な解析を2021年度内に実施することが出来なかったため、次年度使用額が生じた。これらの解析を、2022年度実施することで、使用する予定である。
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Research Products
(19 results)