2021 Fiscal Year Research-status Report
Oral nutrients and bioactive metabolites co-produced by saliva and oral microflora
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21K18281
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
天野 敦雄 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50193024)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (00303983)
坂中 哲人 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (90815557)
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| Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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| Keywords | 口腔マイクロビオーム / 生理活性メタボライト / メタボローム解析 / 口は消化器官 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢由来のメタボライトが宿主の様々な生理機能や疾患傾向に影響することが見出されつつある中、腸内細菌叢に匹敵する複雑な細菌叢を擁する口腔における類似の報告は極めて少ない。その一方で、噛めない高齢者の栄養失調、口を介さない栄養管理、さらには早食いが生活習慣病に及ぼす影響等への社会的な関心が高まっており、口腔と栄養に関する実験科学に基づく新たなエビデンスの創出が求められている。本研究はメタボロミクスを駆使し、咀嚼される食物に対し唾液中の消化酵素による分解と口腔細菌叢による代謝を経て産生される生理活性メタボライトを包括的に探索するとともに、これら口腔独自の消化産物が全身の健康や疾患傾向にどのように影響するかを評価することで、唾液と口腔細菌叢が共働産生する口の栄養素・生理活性メタボライトの全貌解明に向けた新たな研究分野の展開を試みるものである。
現在、被験者のリクルートの準備、および食品の咀嚼により産生される口腔由来メタボライトの探索に向けた予備的研究に着手している。それと平行して、食事負荷が被験者の唾液メタボロームプロファイルにどのような影響を及ぼすかについての検証も進めており、現在までに健常者を対象に臨床データの取得および食後６時間までの経時的な唾液検体のサンプリングを完了している。今後データ解析を行い、これまでノイズとして扱われることの多かった食事由来の唾液メタボライトを同定し、食後それらの物質が唾液中でどのように変動するか明らかにする予定である。そして一連の検証が終わり次第、高齢者や代謝疾患を有する患者を含めた被験者を対象にした臨床研究に着手する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者のリクルートの準備、および口腔由来の生理活性メタボライトの探索に向けた予備的研究に着手している。現在までに、唾液中の口腔細菌叢との相互作用を経て形成された特定の食品の咀嚼後検体を凍結乾燥し、メタボロミクス解析に供することで食塊のメタボライトプロファイルを取得することに成功している。より広範な代謝物カバレッジを達成できるよう最適化を進めるとともに、咀嚼回数によりメタボライトプロファイルがどのように変動するかについての検討も進めている。また食品が咀嚼前される前の状態のメタボライトプロファイルについても食塊の対照として陰膳法により解析を進めている。また、食事負荷が被験者の唾液メタボライトプロファイルにどのような影響を及ぼすかについての検証も進めており、現在までに健常者を対象に臨床データの取得および食後６時間までの経時的な唾液検体のサンプリングを完了している。今後データ解析を行い、これまでノイズとして扱われることの多かった食事由来の唾液メタボライトを同定するとともに、それらが食後どの程度唾液中に残存するのかなどについて検討を加え、食事由来の唾液メタボライトの挙動を明らかにする予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り研究を遂行する。すなわち、食塊のメタボローム解析や食事負荷による唾液メタボロームへの影響に関する予備検討の目途がつき次第、高齢者や代謝疾患を有する患者を含めた被験者を対象に臨床研究を実施し、口腔および全身の臨床指標を記録するとともに、吐出全唾液を採取する。その後、唾液マイクロバイオーム、唾液プロテオーム、そして食塊のメタボロームに関するデータを取得し、それらが口腔や全身の臨床指標とどのように関連するかを多変量解析の手法等を応用しながら解析を進める予定である。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍で2021年度患者試料の採取が滞ったため、患者試料の外注解析費用の使用が2022年度となったため。2022年度には患者試料の外注解析を行う予定である。
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