2022 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿社会の実現に資する革新的低コスト医療創製基盤の構築
Project/Area Number |
21K18286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 久允 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (10451858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90736050)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ドラッグリポジショニング / 健康長寿 / 医療創成 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療費等の社会保障費の増加は、我が国の財政悪化の主要因である。既存低分子医薬品の転用による新薬開発ドラッグリポジショニング(DR)では、近年隆盛を極めるバイオ医薬品に比して、低コストの医療創出が可能である。しかしながら、これまでのDR成功事例は既知の作用機序の適応拡大に留まるため、DRを適用可能な疾患には制約がある。一方、申請者は、既存薬の未知作用機序の発掘により、新規医療を創製し、DRの新規医療創出基盤としての可能性を拡張した実績を有する(革新的DR)。本研究では、既存薬の未知側面を駆使した革新的DRを体系化し、持続可能な健康長寿社会の実現に資する低コスト医療創製基盤を構築する。
大規模診療データに含まれる処方歴、疾患指標の活用により、既存薬の未知効能を体系的に抽出可能と考えられる。本年度は、大規模診療データから各種疾患に対する既存薬の新規効能を探索すべく、処方薬、疾患指標に着目した統計解析を実施し、新規効能が推察される既存薬を取得した。当既存薬群を既存知見に基づき層別化後、病態モデルマウスを用いた効能検証試験を実施し、疾患との関連性が未知かつ、当該疾患への効能が期待される既存薬を同定した。次に、当該既存薬の新規効能を規定する分子基盤候補(未知薬理作用)を推定すべく、当該既存薬を実験動物に負荷し、各疾患と関連する臓器を摘出後、オミクス解析を実施した。取得した各種プロファイルデータを研究分担者が独自に開発した薬理作用分離解析に供し、各既存薬が作用する分子基盤の推定に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下に記載の通り、本研究課題は、実施計画書に記載の年次計画に準じて進捗している。 本年度は、クレンジング済みの大規模診療データを処方薬、疾患指標に着目して統計解析を行い、各疾患への効能が推察される既存薬を取得した。当該既存薬群を既存知見に基づき層別化後、病態モデルマウスを用いた効能検証試験を実施し、各疾患との関連性が未知かつ、当該疾患への効能が期待される既存薬を同定した。また当該既存薬の新規効能を規定する分子基盤候補(未知薬理作用)を推定すべく、当該既存薬を実験動物に負荷し、各疾患と関連する臓器を摘出後、オミクス解析を実施した。取得した各種プロファイルデータを研究分担者が独自に開発した薬理作用分離解析に供し、各既存薬が作用する分子基盤の推定に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模診療データ解析より見出した既存薬を実験動物に投与し、各疾患への効能を確認する。また各疾患に関連する臓器を摘出し、オミクス解析を実施する。取得したプロファイルデータは、研究分担者が開発した薬理作用分析に供し、既存薬の新規効能を規定する分子基盤を推定する。分子機構の推定後、当該機構の中心的遺伝子について遺伝子改変マウスを作出し、各疾患に対する影響を評価する。本実験を通じ、既存薬の新規効能を規定する分子基盤を明らかにする。
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Causes of Carryover |
オミクス解析が当初想定額よりも安価で実施できたため、当該額が生じた。次年度に転用し、より多くの候補薬について効能検証試験、及びオミクスデータの取得を行うことで、本研究全体の加速化を図る。
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