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2021 Fiscal Year Research-status Report

運動エピジェネティクスを起こすスイッチとしてのサテライト細胞の役割解明

Research Project

Project/Area Number 21K18296
Research InstitutionMatsumoto University

Principal Investigator

河野 史倫  松本大学, 大学院 健康科学研究科, 教授 (90346156)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小野 悠介  熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (60601119)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2025-03-31
Keywords骨格筋 / エピジェネティクス / 運動 / ヒストンターンオーバー / サテライト細胞 / H2B-GFP / ヒストンシャペロン
Outline of Annual Research Achievements

骨格筋における運動エピジェネティクスのひとつである「ヒストンターンオーバー」が活性化するメカニズムを解明することが本研究の主たる目的である。慢性運動によってヒストンH2A-H2BのシャペロンであるSPT16発現が高まっていることを先行研究で確認している。2021年度はマウス骨格筋におけるSPT16強制発現モデルの作成を行った。CMVプロモーターの制御下においてマウスSPT16を発現するアデノ随伴ウイルス血清型9(AAV9)ベクターを作成した。ドキシサイクリン投与によりH2B-GFP融合タンパク質を発現するマウスの左前脛骨筋にこのAAV9ベクターを、右前脛骨筋にはCMVプロモーターの下流に非コード配列を有するAAV9ベクターを筋注した。投与2週間後からドキシサイクリン入りの飲料水を摂取させ、さらに2週間飼育した。AAV9ベクター投与から4週間後、半数のマウスには急性のトレッドミル走運動を実施し2時間後に前脛骨筋をサンプリングした。ウェスタンブロット解析の結果、SPT16発現が誘導できたことが確認でき、さらにSPT16を発現させた前脛骨筋において顕著なH2B-GFP発現も認められた。組織化学解析においても筋核および筋線維以外の細胞においてSPT16が強く発現していることが確認できた。現在、運動に対する遺伝子発現応答の解析ならびにクロマチン免疫沈降法によるH2B-GFPのヌクレオソームへの取り込み解析を進めている。C57BLマウスに上記と同様にAAV9ベクターを筋注し、4週間後から2週間トレッドミル走運動トレーニングを実施する実験も既に完了しており、組織化学解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究で用いているSPT16発現ベクターの構築は2021年初めに着手していたが、SPT16遺伝子座そのものに大腸菌に対する毒性が観察され、うまくクローニングができないという問題が発生していた。コドン最適化を行うことでこれに対応し、今回の実験結果ではマウスSPT16を生体内で発現させることに成功した。本研究のメインターゲットがSPT16であり、この因子の発現促進モデルが研究全体の柱となるため、SPT16発現誘導の成功は本研究全体のスムーズな滑り出しを意味する。

Strategy for Future Research Activity

慢性運動期間中のサテライト細胞由来の筋核の増え方に関してはまだ知見が整っていないため、いくつかの運動条件を設定し、サテライト細胞由来の筋核でSPT16が発現増加していること、サテライト細胞由来の筋核供給に必要なのはトレーニング期間なのか負荷量なのかを明確にする必要がある。また、急性運動による遺伝子発現応答性変化、慢性運動による適応変化の結果に基づき、SPT16によるヒストンターンオーバーの活性化や運動応答性への影響が確認できれば、Pax7-EYFPマウスを用いたsingle nucleus RNA-seq解析やSPT16ノックインマウスの作成に着手する。

Causes of Carryover

得られた筋サンプルの遺伝子解析に必要な消耗品購入に使用する。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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