2021 Fiscal Year Research-status Report
バリアフリー映画・演劇製作に関するアクションリサーチに基づく当事者研究
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21K18332
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大河内 直之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (30361679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布川 清彦 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (90376658)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | バリアフリー / 映画 / 演劇 / アクションリサーチ / 当事者研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、バリアフリー映画・演劇の製作者並びにそれらを評価する当事者モニターに対するヒアリング調査と、実際に研究代表者がドキュメンタリー映画を製作するアクションリサーチを実施する予定で準備を進めた。 ヒアリング調査については、2021年に製作されたバリアフリー映画の監督並びに音声ガイド・字幕製作者に対してインタビュー調査を実施し、製作側におけるバリアの実態について情報収集を行った。しかしながら、新型コロナウイルスの感染がなかなか収束せず、バリアフリー映画の製作や障害当事者ユーザを招いてのモニター会が思うように開催できず、また研究代表者の断続的な体調不良もあって、当初予定していた、製作者5名程度、当事者ユーザ5名程度のインタビュー調査には至らなかった。 またドキュメンタリー映画製作のアクションリサーチについては、カメラを持ち込み撮影を行う予定としていた、盲ろう者のICT支援が、2021年度は全面的に中止となってしまったため、年度後半から実施する予定であった、撮影が全くできなかった。そのため、視覚障害を持つ研究代表者が撮影にスムーズに参画できるよう、スマートフォンを使って撮影が可能な機材の準備や、撮影時の視覚的支援体制の確立等、次年度の撮影に向けての体制構築を行った。 その他、バリアフリー映画・演劇の最新動向について情報収集を行い、次年度のヒアリング調査並びにアクションリサーチの実施に向けた準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、バリアフリー映画・演劇の製作者並びにそれらを評価する当事者モニターに対するヒアリング調査の実施と、研究代表者がドキュメンタリー映画を製作しながら製作者側のバリアを明らかにするアクションリサーチの撮影をスタートさせることを目標としていた。 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大並びに、研究代表者の断続的な体調不良が重なり、二つの研究を思うように推進することができなかった。 ヒアリング調査については、バリアフリー映画・演劇の製作や障害当事者ユーザを招いてのモニター会がなかなか開催できず、映画の製作者及び字幕・音声ガイドの製作者の2名にインタビュー調査を実施するにとどまった。 またアクションリサーチについては、撮影の対象としていた盲ろう者のICT支援が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2021年度は全面的に中止となってしまったため、撮影をスタートすることができなかった。したがって、視覚障害のある代表者が撮影にスムーズに参画できるようにするための準備等を行い、次年度以降の撮影に備えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、前年度に実施できなかったバリアフリー映画や演劇の製作者並びにそれらを評価する当事者モニターに対する調査を引き続き実施する。製作者・モニターそれぞれ5名程度に対してヒアリング調査を実施し、バリアフリー映画・演劇の製作現場における障害当事者、とりわけ視覚障害当事者を主としたバリアについて明らかにする。 同時に、2021年度に実施ができなかった、ドキュメンタリー映画製作のアクションリサーチについても、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、適宜撮影をスタートする。研究代表者が本研究とは別に関わる、盲ろうICT支援の現場にカメラを持ち込み、盲ろう者の電子情報機器の利活用やそれらを学ぶ際のコミュニケーション等について映像で記録し、ドキュメンタリー映画の素材とする。 さらに、ヒアリング調査とアクションリサーチにより収集されたデータをもとに、バリアフリー映画・演劇の製作における、視覚障害当事者におけるバリアとその解決方法についての予備的分析を行う。
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Causes of Carryover |
<次年度使用が生じた理由> 新型コロナウイルスの感染拡大や研究代表者の体調不良により、実施が不十分であった、バリアフリー映画・演劇の製作者並びに当事者モニターに対するヒアリング調査とドキュメンタリー映画製作のアクションリサーチを引き続き実施する。それら調査・研究にかかわる費用が必要となったため、次年度使用が生じることとなった。 <使用計画> バリアフリー映画・演劇の製作者並びに当事者モニターに対するヒアリング調査と、ドキュメンタリー映画を製作するアクションリサーチを引き続き実施するため、調査費用(謝金・旅費・情報保障費等)を一部、次年度使用額から支出する。
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