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2023 Fiscal Year Research-status Report

疑偽経典の受容・作成・浸透から見た日本仏教の歴史と思想に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K18338
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

吉田 一彦  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (40230726)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柴田 憲良  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 研究員 (30788807)
藤本 誠  慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (60779669)
高志 緑  京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD) (80792720)
高橋 早紀子  愛知学院大学, 文学部, 准教授 (40770904)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2025-03-31
Keywords偽経 / 疑経 / 中国撰述経典 / 日本撰述経典 / 十往生経 / 血盆経 / 盂蘭盆 / 彼岸
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、研究打合せ会を1回、研究会(疑偽経典研究会)を2回、国内調査を1回実施した。研究打ち合わせ会では、本年度の調査、研究会の中身について話し合い、それらをどのように実施していくかについて、および役割分担などについて議論した。研究会は、第1回は6月11日、名古屋市立大学にて、内田准心「阿弥陀仏五十菩薩像と『十往生経』との関係―道綽『安楽集』と「霊山現土」を手がかりとして―」の発表と、高橋早紀子のコメント、全体討論を実施した。この回では「阿弥陀仏五十菩薩像」の思想と造形について、文献史学と美術史学の両面から考察し、偽経典『十王経』との関係や、この経典がはたした役割などについて議論することができた。著名な法隆寺金堂壁画をどう理解するかが今後の大きな研究課題であることを確認することができた。第2回は8月19日、名古屋市立大学にて、「松尾恒一「水陸斎・普度儀礼の伝承―日本華僑、香港、タイの伝承を中心に―」、上嶋悟史「「崇拝される焔口餓鬼像の誕生―宝寧寺水陸画を例に―」の発表と討論を実施した。この回では、美術史学、民俗学、歴史学の視座から分野横断的に水陸会・普度儀礼の思想およびその美術表現の特質について考察することができた。
国内調査は、富山県立山博物館および雄山神社前立社壇(岩峅寺)のご協力を得て、『血盆経』関係の史料の熟覧調査・写真撮影を実施した。関係の文書を熟覧し、さらに文書ばかりでなく、『血盆経』関係の版木についても調査することができ、多くの知見を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は2021年度-2023年度の3カ年を研究期間とするものであったが、1年目の2021年度が新型コロナウイルス感染症の流行年だったため、構想していた調査や、対面の研究会による意見交換・討論が十分にできなかった部分がある。そこで、研究代表者・研究分担者の打合せ会を実施し、研究期間をもう一年延長して2024年度までにすることとした。これにより、追加の調査・研究会を実施して研究の深化を目指す。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、これまで実施できなかった国内調査を実施し、懸案であった対面の研究会をさらなる頻度で実施する。ただし、遠方からの参加者のため、対面&オンライン計審の研究会とし、総合討論によって議論を深める。個別の疑偽経典では、中国撰述経典と考えられる『仏説盂蘭盆経』『血盆経』『観無量寿経』『梵網経』についての分析・考察を深め、俗講との関係についてより密度の濃い理解を目指す。また、日本撰述経典についても分析・考察を深め、『仏説彼岸神呪成就経』(七寺一切経所収)について理解を深めるほか、中世神道の分野を中心に日本で創作された疑義経典についても研究を深める。

Causes of Carryover

本研究は2021年度-2023年度の3カ年を研究期間とするものであったが、1年目の2021年度が新型コロナウイルス感染症の流行年だったため、構想していた調査や、対面の研究会による意見交換・討論が十分にできなかった部分がある。そこで、研究代表者・研究分担者の打合せにより、研究期間をもう一年延長して2024年度までにすることとした。次年度は、これまで実施できなかった調査を追加実施し、対面の研究会をさらなる頻度で実施する。ただし、遠方からの参加者のため、対面&オンライン計審の研究会とし、総合討論によって議論を深める。個別の疑偽経典では、中国撰述経典と考えられる『仏説盂蘭盆経』『血盆経』『観無量寿経』『梵網経』についての分析・考察を深め、俗講との関係についてより密度の濃い理解を目指す。また、日本撰述経典についても分析・考察を深め、『仏説彼岸神呪成就経』(七寺一切経所収)について理解を深めるほか、中世神道の分野を中心に日本で創作された疑義経典についても研究を深める。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 「法界仏像」における諸形象の表象意識―キジル石窟第十七窟両像と敦煌莫高窟第四二八窟像を中心に2024

    • Author(s)
      高橋早紀子
    • Journal Title

      外村中・稲本泰生編『「見える」ものや「見えない」ものをあらわす―東アジアの思想・文物・藝術』(勉誠社)

      Volume: - Pages: 219-253

  • [Journal Article] 『伝述一心戒文』良祐書写本の伝来ー天文二十二年千妙寺への伝領時点を中心にー2024

    • Author(s)
      柴田憲良
    • Journal Title

      叡山学院研究紀要

      Volume: 46 Pages: 195~212

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 先進文明としての仏法の受容2023

    • Author(s)
      吉田一彦
    • Journal Title

      『アジア人物史3 ユーラシア東西ふたつの帝国』(集英社)

      Volume: - Pages: 205-290

  • [Journal Article] 聖徳太子信仰の展開と特色2023

    • Author(s)
      吉田一彦
    • Journal Title

      播磨学研究所編『聖徳太子と播磨』(神戸新聞総合出版センター)

      Volume: - Pages: 157-190

  • [Presentation] 《普度明太祖長巻》の美術史的位置2023

    • Author(s)
      高志緑
    • Organizer
      国際シンポジウム「五言語合璧『普度明太祖長巻』(1407年)の研究」
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

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