2021 Fiscal Year Research-status Report
On information presentation methods for easier decison making: Studies on multi-attribute decision making
Project/Area Number |
21K18339
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 光弘 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (30224025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出野 尚 徳山大学, 経済学部, 教授 (40805628)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 意思決定 / 多属性意思決定 / グラフィック表現・推論 / 論理 / 情報提示 / アイトラッカー / デジタル環境 / 情報社会と公平性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)萌芽研究の初年度として、多属性選択肢表デザイン及び提示法の基本の研究を進めた。グラフィック表現を多属性表に取り入れることにより合理的意思決定を容易にする表現手法の開発も試みた。ハイライト手法、アイコン手法、図的論理推論手法などの導入を行って研究を進めた。多属性表を用いた推論プロセスを論理的手法で検討した。Trade-off関係を持つ、少数選択肢間の多属性選肢表の提示意義について、現代情報社会の様々なレベルの多属性意思決定・判断の場面に対して検討した。(2)多属性表を用いる、アイトラッカー法による意思決定実験に関わる、表デザインや表提示の基本的問題のいくつかについて被験者調査データの解析を通じて検討した。提示する選択肢の順序を変えることによる意思決定への影響を調査した。また、アイトラッカー法においては同種の多属性表を繰り返し被験者に提示するが、繰り返し提示によって被験者に学習効果とみられる変化が眼球運動指標上に現れることについて調査した。グラフィック表示の表提示の場合との相違についても分析した。これらの成果は今後の表デザイン、実験デザインの改良に活かされる。(3)意思決定・判断しやすい情報の提示の問題をより一般的なデジタル情報環境の設定の中で調査し、検討した。特に、伝統的(ソフトウエア)アルゴリズムにおけるデジタル環境の問題としてだけでなく、機械学習を通じた情報提示環境も含めて考察することに着手した。情報提示の公平性、説明可能性についても論理的側面から検討を開始した。本チームメンバーが中心となって、この問題と関連する、国際シンポジウムをコーディネートした(2021年6月国際科学基(礎論会議(DLMPSTT)-(国内)科学基礎論学会共催シンポジウム)。また、CIPSH Conference (2021年12月南デンマーク大学)でもこのテーマの報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
萌芽研究の初年度として、アイトラッカー実験手法の立案法や刺激の表デザイン、提示法の基本についての検討が進んだ。特に、多属性意思決定研究で用いる多属性表示法についての知見が得られ、この成果は次年度からの同研究の方法論の改良にも貢献するものとなった。また、合理的・論理的に意思決定・判断可能な情報環境を満たすための、情報及びアルゴリズム環境に関する、公平性、説明可能性の検討を進めた。これらのことから、予定通り進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
表的情報提示について、多属性意思決定研究を通じて合理的意思決定がしやすい多属性表のグラフィックデザインを検討する。特に、ハイライトや情報提示順の変更などのパラメータを用いる。合理的理解、認知判断課題の図的情報提示についての研究も進める。主体的で合理的な意思決定及び判断がしやすい情報環境について、本年度に引き続き、次年度も検討を進展させる。特に、公平性、説明可能性の観点から検討する。機械学習アルゴリズム環境の説明可能性もこれに含める。本年度は新型コロナ感染症によるパンデミックの影響から、対面式に共同研究や対面式被験者調査や海外協力者との直接共同作業などに制約があったが、次年度は状況が改善し、これら一部延期していたことも実行できると期待される。本研究課題の重要性について国際的に研究者間で協議していく。
|
Causes of Carryover |
海外渡航や密閉実験キャビン内での被験者実験の一部は2021年度中の(新型ウイルス感染状況などの)環境下では予定通り実施できず、遠隔方式などを取り入れて研究を進めた。次年度以降は感染の影響が少ないと考えられたことから、国際研究協力のための渡航の一部や、密閉実験キャビン内でのアイトラッカー対面実験の一部は次年度に行うこととした。このために次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(5 results)