2021 Fiscal Year Research-status Report
科学技術を駆使した唱導資料と交流史に基づく東アジア法会学創成への挑戦
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21K18360
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近本 謙介 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90278870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒見 泰史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30383186)
大谷 由香 龍谷大学, 文学部, 准教授 (50727881)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 法会学 / 唱導 / 講唱文芸 / 敦煌 / ビッグデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナ感染症に伴う研究活動の制約があったため、海外調査に基づく共同研究や国内調査に多大な支障を生じた。そのような状況下、渡航を伴う海外調査は延期、国内調査は規模を縮小して推進した。 中国・台湾での調査とビッグデータ解析についての共同研究プロジェクトは現地研究者との情報交換を進め、実質的な作業は次年度に行うこととし、広島大学敦煌学プロジェクト研究センターでの情報解析を進めた。国内調査については、真福寺大須文庫の関連聖教のうち、南都における法会の実態を窺い知ることのできる資料に関する調査と分析を進めた。また、南都の法会として維摩会をめぐる問題について、経典と注疏類との関係を探り、聖俗の観点や論義と芸能との観点からこれを定位する成果を得た。さらに、戒律関係の問題について、覚盛や叡尊の自誓受戒をめぐる通受の背景について分析を進めると同時に、俊ジョウによる北京律と南都律との交渉について新たな知見を得た。 準備段階から進めてきた研究については、上記の成果を含めて、優先的に成果報告をまとめることに専念した。その結果、①『玄奘三蔵 新たなる玄奘像をもとめて』(勉誠出版、2021年12月)、②『ことば・ほとけ・図像の交響 法会・儀礼とアーカイヴ』(勉誠出版、2022年3月)、③『宗教遺産テクスト学の創成』(勉誠出版、2022年3月)の三編著を刊行した。①はアジア交流史に基づいて東アジア法会学を創成するために必要な玄奘をめぐる最先端の研究成果をまとめたもの、②は法会・儀礼をことば・ほとけ・図像の交響する場としてとらえ直し、アーカイヴ研究と連動させる意図に基づくもの、③は法会学を宗教遺産テクスト学として統合的に定位する方向性を企図したものである。以上の研究成果は、本研究の目指すビッグデータ解析による結果と連動させることで、東アジア法会学への普遍化を図る方向性に基づくものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、コロナ感染症に伴う蔓延防止等重点措置期間が続き、研究活動に大きな制限が生じたため。研究活動の優先順を再検討し、海外調査に基づく共同研究を次年度以降に延期するとともに、国内調査は規模を縮小して推進した。その結果、当初の計画よりもやや進捗状況が遅れることとなった。 その一方で、研究計画の見直しを行い、準備段階から進めてきた研究と、本年度に得られた成果を迅速に公刊すべく、「研究実績の概要」欄に記した三冊の編著を刊行した。このことは、当初の計画よりも前倒しで実現できた研究成果であり、当初の計画以上に進展した点と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施予定であった中国・台湾の大学および研究機関との現地における共同調査とビッグデータ解析の方法の確立については、次年度以降に集中的に研究事業を進展させる計画を立てている。特に、個別のデータベースの統合的運用とその方法、プラットフォーム形成については、可及的速やかに議論を深める必要がある。 国内寺院調査については、蔓延防止等重点措置が会場される傾向にあるため、本年度よりも集中的に規模を拡大して実施できる見通しが立ちつつある。 また、研究を推進するなかで進展をみた戒律と関わる宗教遺産について、デジタル機能とレプリカ機能を駆使した展示企画を、博物館と連携しつつ進めることを立案している。
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Causes of Carryover |
本年度は、コロナ感染症に伴う蔓延防止等重点措置期間が続き、実施予定であった中国・台湾の大学および研究機関との現地における共同調査プロジェクトを延期せざるを得ず、渡航費に未使用が生じたため。また、国内寺院調査についても規模を縮小して実施したことで、旅費・謝金に未使用が生じたため。 上記の未使用金については、次年度にコロナ感染症がおさまっている状況に応じて使用する計画を立てている。
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Research Products
(34 results)