2021 Fiscal Year Research-status Report
移民政策への国家誌的アプローチの構築ー翻訳者としての行政職員に注目して
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21K18398
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長坂 格 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (60314449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上水流 久彦 県立広島大学, 公私立大学の部局等(庄原キャンパス), 教授 (50364104)
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50382007)
河本 尚枝 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50403499)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 移民政策 / 国家誌 / 翻訳者 / 移民的背景を持つ行政職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず、9月に、この共同研究のメンバーの多くが参加している、ひろしま多文化共生研究会で、長坂と高畑が、研究計画などを発表した。行政職員を含む参加者からコメントを得た。さらに、10月に対面・オンライン併用の研究会を開催し、研究計画を再確認するとともに、外国にルーツを持つ行政職員の雇用状況の全国的傾向を把握するための調査票調査の実施について打ち合わせを行った。それを受けて、調査票の作成にとりかかり、メンバー間での修正およびプレ調査を経て、2月に外国人人口100人以上の市区町村を対象として、「地方自治体における外国籍・外国ルーツ職員の雇用実態調査」(郵送調査)を実施した。1186自治体に調査票を送付し、652通の回答を得た。いくつかの調査結果を紹介すれば、外国籍・外国ルーツの職員を無期雇用の正職員として雇用しているのは9%にとどまったが、有期雇用の正職員として、および会計年度任用職員として雇用している自治体は、それぞれ39%、54%あった。仕事内容別に外国籍・外国ルーツの職員等の有無を尋ねた質問への回答では、ALTなど(81%)の他に、少なくない自治体が、日本語指導(16%)や国際交流を担当する仕事(30%)、外国籍住民の支援・相談対応をする仕事(21%)に従事する外国籍・外国ルーツの職員等がいると回答していた。今後、これら自治体のうち、インタビューを承諾していただいた自治体の担当者にさらに詳しい聞き取りを行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移民的背景を持つ行政職員の雇用に関する全国的傾向を把握するための調査票調査を実施することができた。しかし、メンバーの個別の移民的背景を持つ行政職員へのインタビューやフィールドワークは、コロナ禍ゆえに順調に進展しているとは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
「地方自治体における外国籍・外国ルーツ職員の雇用実態調査」の結果の考察をすすめつつ、市郡規模や外国人比率を異にする全国の自治体に、個別の聞き取りを行っていく。また、各メンバーによる、移民的背景を持つ行政職員への聞き取りおよびフィールドワークを、新型コロナウィルス感染症の拡大状況を注視しつつすすめていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染状況により、各メンバーの調査・フィールドワークの実施が遅れているため。今後は、研究組織全体で進めている自治体調査での聞き取りをすすめつつ、さらに、各メンバーによるインタビューとフィールドワークをすすめていく。
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