2023 Fiscal Year Annual Research Report
家畜伝染病の蔓延と防疫に関する政策評価モデルの構築
Project/Area Number |
21K18424
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
岡本 亮介 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (60323945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細江 宣裕 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60313483)
阿久根 優子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (90363952)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 生産性 / 農業 / 研究開発 / 普及事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
養鶏業で発生した鳥インフルエンザの影響を分析するために、静学的な応用一般均衡(computable general equilibrium, CGE)モデルを構築し、分析結果をまとめた草稿を執筆した。著者間でその結果や分析の視点について吟味し議論して改訂を進めているところである。そこで考慮されているような生産性の変化は農業一般に発生しうるものであるから、養鶏業に限らない農業一般に関する基礎的な研究として、農家の生産性が技術指導等によってどのような影響を受けるのかをミクロデータを用いて吟味した。具体的には、Akune & Hosoe (2021, Agricultural Economics)で推定した農家の生産性(total factor productivity, TFP)分布を用いて、公的な農業研究開発による生産性への影響について、研究と普及の投資効果のラグ構造とともに定量的に明らかにした。分析の結果、農業研究開発では研究と普及のラグ構造が大きく異なることがわかった。研究投資のラグ構造は、概ね12年でピークに達する一方、普及のそれは大きく異なり、実施された年に50%の効果があり、かなり速く減衰することが明らかになった。また、公的農業研究開発の弾力性は、研究が0.38、普及が0.05で、研究の効果は他の先進国の弾力性と同程度もしくは高い傾向にあった。このように、研究開発の効果が実際の生産性として発揮されるには時間が必要であり、また、そのために普及活動のような別の形の投資も必要であることが明らかにされた。この研究成果は、国際学会68th Annual Conference of The Australasian Agricultural & Resource Economics Societyにおいて口頭報告された。
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