2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K18426
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花薗 誠 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60362406)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 純 近畿大学, 経済学部, 准教授 (30565792)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 多次元入札 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である21年度は、いくつかの基礎的・予備的な研究を行った。具体的には、多次元入札の一般的な定式化およびその具体例の研究、また、ベイズナッシュ均衡の性質や構成に関する研究を行った。研究計画に従い、多次元入札として「価格や質の項目ごとに参加者を評価し、ウェイト付けして最終的な評価値を決定するような相互連関的な評価方法」について、準線形の効用関数、2次の費用関数、私的情報の一様分布により関数形を特定化した例によって定式化し、均衡の特徴づけについて検討した。 また、多次元入札の基礎研究の一環として、スコアリングオークションのベイズナッシュ均衡の一意性、また一意でない場合の均衡の構成方法についても検討した。これまでの研究で明らかにしたように、入札者の私的情報が多次元空間であらわされる場合、均衡は存在してもその一意性は明らかではない。しかし、構造推計を通じて反実仮想分析をする際には、仮想的な想定の下で均衡状態を求め、現実との比較を行う。そのためには、仮想的な想定化での尤もらしい均衡がどのようなものか、またそれをどのようにして構成するかを論じる必要がある。そこで、2つの方法を試みた。第1に、いわゆる不動点定理の中で、縮小写像のように不動点に到達するための性質(エルゴード性)やそのアルゴリズムについて調査した。第2に、簡単なコンピュータコードを書いて、均衡行動を近似的にも見つけられるかどうかを試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
21年7月に採択が決定した課題であり、研究計画に従った内容を検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
理論構築、分析を具体的な例をもとにより一般の定式化においても実行し、多次元入札の合理的意思決定について研究を進める。併せて、実証的分析を進めるための準備を、研究チームで推進する。
|
Causes of Carryover |
感染症の理由から研究打合せなどの出張機会がなくなり、出張費用、招聘旅費が支出できなかった。また、データ収集・整理の人件費についても、雇用可能な大学院生が十分に見つからず当初の計画の半分しか実行できなかった。22年度の支出計画は当初計画と合わせ、21年度の残額分の支出を振り替える予定である。
|
Research Products
(1 results)