2023 Fiscal Year Annual Research Report
流動性需給バランス変動のビッグデータ分析に基づく暴落予測法の開発
Project/Area Number |
21K18439
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
高田 輝子 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (30347504)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 流動性 / 需給バランス / 暴落予測 / 指値 / 確率密度推計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、流動性需給のビッグデータのみに基づく高精度早期暴落予測法の開発」である。
今年度は、前年度迄に明らかにした暴落予測に活用可能な複数の材料の中から、需給バランスの度合を示す「市場が売りか買いかの一方向に傾く程度」を選び、まず、その数値指数を作成した。次に、昨年度開発した「市場状態モニターによる暴落リスク感知の仕組み」に、この時々刻々と変化するこの「市場の一方向化度」を市場状態の学習対象として追加し、暴落予測の早期化と高精度化を実現した。更なる高精度化に向けて暴落予測に有用そうな他の発見パターンを暴落予測システムに組み込むことについては、現在進行中である。
ただ、研究期間中に急激に進んだ円安等によりニューヨーク証券取引所の高頻度指値注文(NYSE Openbook)データ用に準備していた予算が大幅に不足し、RA雇用費や新規購入データ用HDD費を含め、他費目のほとんどを使って充填したことが、研究結果を出せなくなる事態は防いだものの、計画通りに研究を進めることには悪影響をもたらしてしまった。本研究で扱ったNYSE Openbookデータは、米国の高頻度株式統計として通常扱われるNYSE TAQデータと比べても、データの大規模性と複雑性が格段に高いものであるが、新規購入データのクリーニングやデータ格納環境整備等を、予定したRA雇用をせずに単独で行ったため、これらに想定以上の時間と労力をかけざるをえなくなってしまった。この状況を受けて、まずは研究期間内に計算結果を出すことを最優先としたため、今年度出した結果については研究期間内に成果の形にまとめることに時間と労力を十分に割くことができなかった。しかし、目標としていた計算結果を研究期間内に得ることはできたので、研究期間終了後にはなってしまうが、順次、成果としてまとめていきたい。
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