2021 Fiscal Year Research-status Report
単身男性中高年者の将来展望を促すプログラムの開発:貧困と孤立の早期予防に向けて
Project/Area Number |
21K18469
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
村山 陽 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90727356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (10550840)
長谷部 雅美 聖学院大学, 心理福祉学部, 准教授 (70773505)
高橋 知也 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90813098)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 単身男性中高年者 / 将来展望 / 貧困 / 孤立 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、将来的な貧困と孤立の早期予防に向けて、単身男性中高年者の将来を諦める意識を軽減し、現状把握と将来展望(セルフモニタリング)を促すプログラムの開発を目的としている。 2021年度は、単身男性中高年者の生活ニーズと個人属性やライフスタイルとの関連を探索的に検討するため、2022年3月にインターネット調査会社に登録している首都圏在住の40歳から69歳までのモニターの中から年代3区分(40代/50代/60代)×雇用形態2区分(正規雇用/非正規雇用/その他)の9区分からそれぞれ同数になるように抽出した1320人を対象者にオンライン・アンケート調査を行った。分析の結果、単身中高年男性において、雇用形態の違いに関わらず睡眠時間や余暇時間が短いほど時間的切迫感が強くなり、そのことが精神的健康の悪化につながる可能性が示された。また、非正規の単身中高年者は正規雇用者に比べ労働が短く余暇は長いにも関わらず,時間的切迫の強さに違いが見られなかった。こうしたことから、生活が不安定な単身中高年の時間的切迫を強める要因を明らかにし、それを軽減する支援の検討が必要であることが見出された。 本研究成果の一部は今年度の学会(日本公衆衛生学会、日本心理学会等)で発表する予定である。現在、引き続き本調査データの分析作業を進めており、単身中高年男性の生活ニーズやライフスタイルの傾向を把握し、それをもとにプログラム試案を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、単身男性中高年者のライフスタイルと生活ニーズの把握を目的とした質問紙調査を実施できており、おおむね研究計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
相談援助に携わる研究者や実践家へのヒアリング調査をもとに「現状把握と将来展望(セルフモニタリング)を促すプログラム試案」を作成する。次いで、単身男性中高年者を対象にプログラム試案を実施し、その評価を行う。
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Causes of Carryover |
調査結果のデータ整理としてスタッフ謝金を計上していたが、当初の予定より少なく済んだため次年度使用額が生じた。本年度はプログラム試案の作成を計画しており、そのための人件費やプログラム作成費等に使用する。
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