2023 Fiscal Year Research-status Report
The development of age-appropriate health communication
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21K18495
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大森 美香 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50312806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | 感情マネジメント / 健康行動 / 青年期 / リスク認知 / 口腔保健行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感情マネジメントを考慮した実効性あるヘルスコミュニケーションの方法を確立し、認知・感情発達を考慮したヘルスリテラシーや危機状況への対応力を育成することにある。我々は、災害、パンデミック、事件・事故、など危機的できごとに直面することがある。危機に対する知識があれば、的確なリスク認知と判断ができ、適切に行動できると想定されているが、実際場面では、パニックや恐怖などの感情反応が先に立ち、適切な行動に至らないことが少なくない。特に、子どもや青年期のリスク認知や感情のマネジメントは発達途上にあり、成人と異なると想定される。心理的発達段階にある子どもは、1)自身や他者の感情認識や感情マネジメントが発達途上であり、2)時間的展望を持ちづらく、不確かな未来の想像が困難なためである。 先行研究によれば、公衆衛生上の予防行動は,リスク認知やヘルスリテラシーにより促進され(Rutherford et al., 2018)。リスク認知やヘルスリテラシーは、発達とともに高まることが報告されている(Kim et al., 2018)。本課題の2023年度の目的は、青年期早期における健康リスクとして代表的な疾患であるう蝕に焦点をあて、中高校生におけるう蝕予防行動を比較,青年期早期における心理的発達とう蝕予防行動の関連を明らかにすることにあった。約400名程度の中高生を対象に、2時点のオンラインパネル調査を実施した。 2時点目の調査参加者の脱落率が高く、縦断データの分析に至れなかった。横断データの記述的な分析からは、ヘルスリテラシーは高校生において高く、予防行動の阻害要因となる楽観バイアスは中学生において高いことが示された。2024年度により詳細な分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、コロナウィルス感染症の位置付けが2類相当であり、さまざまな疾患に対するリスク認知からその影響が除外できないと判断し、実査開始を2023年度に持ち越すこととした。2023年度は、中学生と高校生を対象に2回にわたるパネル調査を実施し、分析を開始、一部の成果を国内で学会発表、2024年度の国際学会での発表のため投稿を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、国際学会での発表および論文執筆を予定しており、計画どおり研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度に行う予定であった成果発信およびプログラムの検討を、2024年度の実施することになった。計画としては、ヨーロッパ健康心理学会、健康心理学会における学会発表、論文執筆、国内外でのプログラムの視察を行う。
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[Book] The COVID-19 Pandemic in Asia and Africa. Societal Implications, Narratives on Media, Political Issues. Volume II2023
Author(s)
Montanari, M., Perone, S., Omori, M., Kayo, A. Barth, I.
Total Pages
246
Publisher
Sapienza Universita Editrice
ISBN
9788893772990
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