2022 Fiscal Year Research-status Report
Curriculum Development of Japanese Critical Mathematics Education to Nurture Critical Mathematical Literacy
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21K18511
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
馬場 卓也 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (00335720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中和 渚 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (00610718)
島田 功 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (30709671) [Withdrawn]
福田 博人 岡山理科大学, 教職支援センター, 講師 (30803522)
服部 裕一郎 岡山大学, 教育学域, 准教授 (50707487)
高阪 将人 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (50773016)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的オープンエンドな問題 / 価値観 / 数学的モデル / 批判的数学教育 / 数学的リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会的オープンエンドな問題による批判的数学的リテラシー育成に関する研究である。以下の三点を行う。(1)関連事例を集めたり、整理すること。(2)その中で、特にトランス・サイエンスな問題(Weinberg 1972)への対応を目的として,社会的公正・倫理の観点をより強調した事例も検討すること。(3)それらの事例を検討しながら、構成論(学校段階,教科横断),目的論(倫理・価値観),教材論(発展型社会的オープンエンドな問題)の観点から総合的に考察し,新たな数学教育の原理を校種横断と教科横断の観点から構築することである。 (1)に関しては、島田功・馬場卓也(編著)『多様な価値観や数学的な見方・考え方を磨く算数授業のオープンエンドアプローチ』2022年をまとめたり、その他の事例はホームページ上で発信している。(2)は、(1)で集めた事例が、批判的数学的リテラシーとどのように関係するのかを考察し、Hattori, Yuichiro; Fukuda, Hiroto; Baba, Takuya (2021). “Development of Socio-critically Open-ended Problems for Critical Mathematical Literacy: A Japanese Case”を中心にまとめている。(3)は世界最大の数学教育の国際会議の招待講演で、メタ問題という概念を提案し、現在研究チームで議論を深めつつある。その成果を2023年日本科学教育学会で発表するべく準備を進めている。 これまで年に2回の研究会(2021年9月、2022年3月、9月、2023年3月)を開催してきた。それ以前の成果、現在行っていることを含めて、ホームページにまとめて発信している。https://social-oep.hiroshima-u.ac.jp/
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度、査読付き論文(3編)、研究発表(5回)、国際会議招待講演(1回)、書籍発刊(2編)、その他論文(2編)など、研究の成果を積み上げてきた。また研究者以外の聴衆にも届けるべく、その他論文として一般紙にも投稿している。 また効果的に発信するために、ホームページの運用を始めた。研究の進捗状況、成果を発信している(https://social-oep.hiroshima-u.ac.jp/)。そこでは、社会的オープンエンドな問題の事例を掲載する他、用語集を作成して、社会的おプンエンドな問題による批判的数学的リテラシ-の具体化と理論化を図っている。以上の研究業績、発信という観点から、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、日本科学教育学会(2023年9月愛媛大学予定)でこれまでの成果を発表する計画で進めている。そこでは、構成論,目的論,教材論の観点から議論を深める予定である。すでに多くの事例を生成したので、それらをメタ的に、それらの関係や異同を考察する。その一つの方法として、カテゴリーの考え方がある。これまで経験的に得られたカテゴリーとして、分割カテゴリー、選択カテゴリー、ルール作りカテゴリー、計画・デザインカテゴリーがあった。これらのカテゴリーを経験的なレベルから一段進んで、6つの普遍的な数学的活動(Bishop,1988)と相互参照しながら、理論的なレベルに引き上げることに取り組んでいる。また、幼小中高大という学校段階の区別から、各段階における子供たちの数学的活動をとらえて、シークエンスの議論に役立てたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初計画した時点で予定していた国際会議などでの発表がなくなったり、オンラインに切り替わり、経費が大きく削減されることとなった。他方で、オンライン会議システムを有効に活用し、定期的な打ち合わせを行うことで着実に成果を上げている。また国際会議で招待講演を受けるなどしてきた。 2023年度は、9月日本科学教育学会での発表を予定している。そこでは、期間中に退職されたメンバーの旅費も含めて使用予定である(約20万円)。その他の学会発表・最終研究成果会も企画検討中である(約50万円)。その成果を次年度以降で書籍出版にまとめることを計画している。また論文投稿は、現在進行形のもの、予定中のものがあり、英文校閲・論文投稿量などで使用する予定である(30万円)。その他、ホームページのメインテナンス、資料整理アルバイトなどで残額を使って、研究の効果的な遂行と発信に努める予定である。
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Research Products
(11 results)