2023 Fiscal Year Annual Research Report
Building Archaives for University Reform by Sharing Knowledge on Failure
Project/Area Number |
21K18514
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小方 直幸 香川大学, 教育学部, 教授 (20314776)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 大学改革 / 学長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大学改革の中でも失敗事例に着目し、その知見を共有して今後の大学改革に活かすことを目的としている。そのため、個別の改革事例に関わる情報収集を行った上で、それを管理職が実際に活用できるようにケース素材として蓄積することを目的としている。 1年目は事例収集の前段階としての文献調査に加え、学長が大学改革をどのように捉えているかに関する予備調査を実施した。調査票は全国の755大学に発送し、2022年の2-3月にかけて、紙媒体とWeb調査を併用する形で実施した。有効回収数は274件、回収率は36%であった。 2年目は本調査に対する本格的分析を進め、学長の改革に対する認識が多元化する実態や背景について、組織論的なアプローチ等から考察を行った。基礎となる分析は既に終了し、第一段階の執筆作業も終えており、何れかの学術媒体において研究成果を報告する予定である。一方で、上記調査に協力のあった学長のうち、学長経験年数が比較的長い者を対象に、大学改革のケーススタディにも着手した。1年目から2年目にかけて10を超える大学の学長にインタビュー調査を行った。1ケースあたりのインタビューは1~1.5時間で、改革の中でもとりわけ成功認識ではない事項について、具体的に話を伺った。 3年目は、学長インタビュ-で得られた情報を、学長の業務に関するケーススタディ教材の作成に向けた作業を行った。1ケース4000字程度の比較的短時間で読める具体的なケース素材として書き起こし、協力していただいた学長に内容の確認を行った上で確定させた。その上で、1年目に実施したアンケート調査の結果と併せて、ケースで学ぶ学長の仕事という題目で、書籍として刊行した。
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