2021 Fiscal Year Research-status Report
特別な教育的ニーズに関する新たな教職必修科目への〈生活-文脈〉の視点の導入
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21K18519
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
宮内 洋 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (30337084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 朝 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10322778)
新藤 慶 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (80455047)
打越 正行 和光大学, 現代人間学部, 講師 (30601801)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 〈生活-文脈〉 / 特別な教育的ニーズ / 教職必修科目 / 外国籍児童・生徒 / 子どもの貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒の理解を独自の〈生活-文脈〉主義の観点から深化させることと、さらに、その知見と方法を新たな教職必修科目に導入することによって、教職を目指す学生の子ども理解と支援の力を伸長させることである。教育職員免許法及び同法施行規則が改正され、新たに「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解」の事項が含まれた。対象となる子どもの理解とその支援について、私たち研究グループが継続している〈生活-文脈〉の視角を基盤とした調査研究の成果を導入することによって、教職課程での生きた学びをさらに深めていけるような教育実践方法の開発と教材作成を目的とする。 本研究の独自性にもかかわるが、各メンバーによるフィールドワーク及び社会調査が基本となる。メンバー全員による研究会を定期的におこない、【各自のフィールドワーク→研究会における議論と振り返り→各自のフィールドワーク→研究会における議論と振り返り→・・・】というサイクルによって、本研究を進めている。このようなサイクルを繰り返すことによって、各自のフィールドワーク及び社会調査のブラックボックス化を避けることができると考えられる。 具体的には、現行の教科書では周辺的に扱われがちである、①母国語の問題等により特別の教育的ニーズのある幼児、児童及び生徒の理解とその支援、②貧困の問題等により特別の教育的ニーズのある幼児、児童及び生徒の理解とその支援について、文献調査とフィールドワーク及び社会調査をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、共同研究者の各々のメンバーが、それぞれのフィールドにおいてフィールドワーク・調査を展開することもまた、当初の計画であった。しかし、予想だにしないパンデミックが長期化することによって、フィールドワーク・社会調査が容易におこなえない状況が続いている。本研究グループのみならず、すべての研究者が苦しんでいると言えよう。しかし、本研究グループにおいては、各々のメンバーがそれぞれのフィールドにおいて工夫をこらしながら進めるとともに、概ね一ヶ月に一度程度は、対面かオンラインかによって、各々の研究成果の発表をするとともに、教科書の完成に向けて準備をおこなった。 さらには、2021年9月3日に世界的な映画監督である坂上香監督をお招きして、愛知県立大学において〈生活-文脈〉理解研究会主催・愛知県立大学共催シンポジウム「〈生活-文脈〉から考える映画『プリズン・サークル』における痕跡」を開催し、本研究の成果を直接的に社会に還元することができた。 このように、共同研究の初年度としては十分な成果だと思われ、当初の計画は十分にクリアしたと言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
パンデミック下において、フィールドワーク及び社会調査が容易におこなえない状況が続いている。本研究グループのみならず、すべての研究者が苦しんでいることだろう。しかし、本研究グループにおいては、各々のメンバーがそれぞれのフィールドにおいて工夫をこらしながら進めるとともに、概ね一ヶ月に一度、対面もしくはオンラインかによって、各々の研究成果の発表をするとともに、教科書の完成に向けて準備をおこなっている。さらに、今後もまた、本研究の成果を直接的に社会に還元しようと計画している。
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Causes of Carryover |
パンデミックが予想外に長期化したために、社会調査・フィールドワークをこまめに実施することがなかなかできず、研究チームによる研究会および打ち合わせ等も対面開催をできる限り減らし、オンラインで実施せざるを得なかった。 パンデミックではなくなり、ヒトの移動が自由になれば、社会調査・フィールドワークを予定通りにおこない、研究会もまた対面開催に切り替える。当然のことながら、オンラインでの聞き取り調査や研究会では種々の問題を内包し、きわめて不十分であることを理解している。
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