2021 Fiscal Year Research-status Report
子どものワクワクに働きかける健康を目的としない新しい身体活動促進アプローチ
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21K18521
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
山北 満哉 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (40582143)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 身体活動 / 運動遊び / 仕掛け / 子ども / 小学校 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもの「やりたい」や「ワクワク」に働きかけ、運動に無関心な子どももつい動きたくなる「仕掛け」を開発し、小学校を対象とした介入研究によりその効果を検証することを目的としている。 「仕掛け」は、①誰も不利益を被らない、②行動が誘われる、③仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる、の3つすべての要素を含み、普段意識していないもう一つの行動の選択肢を増やし、それをつい選びたくなるように導くものである。
初年度である2021年度は、子どもがワクワクし、やってみたいと思う要素(行動インサイト)を整理、特定することを目的に、子どもの意思決定と行動変容のメカニズムに関わる情報を遊びの特性や行動経済学等の関連分野の視点から情報を収集した。 その結果、遊びの4要素(競争、偶然、ものまね、めまい)やナッジ(より良い選択を自発的に取れるように、そっと後押しする方策)、音楽・アート等の要素を含むものが効果的である可能性が示唆された。その結果に基づき、遊びの中の競争性と音楽の要素を取り入れた試作品(案)を1点考案した。また、身体活動・運動・スポーツに対する子どもの価値観や行動の選択は、家庭環境や学校環境、人間関係等の社会環境の影響を受ける可能性も示された。 認知科学や発達心理学や社会心理学等の情報収集が不十分であり、子どもの行動インサイトを体系的に整理し、まとめることができなかったため、引き続き関連分野からの情報収集と共通要素の抽出を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知科学や発達心理学や社会心理学等、子どもの意思決定と行動変容のメカニズムに関わる学際的な情報収集が不十分であり、当初予定してた子どもから「やりたい」や「ワクワク」を募集する計画も実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、様々な分野から学際的に情報を収集し、各分野の視点から子どもがワクワクし、やってみたいと思う要素(行動インサイト)、及びその共通項を抽出、整理し、レビューとしてまとめるとともに、現状存在する「仕掛け」を網羅的に収集する。 加えて、子どもから「やりたい」や「ワクワク」を募集し、子どもが開発可能な「仕掛け」も考案する。
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Causes of Carryover |
当初予定してた学会参加がオンライン開催となったことや論文掲載料が未使用であったため、次年度使用額が生じた。次年度分として請求する助成金は調査旅費、学会での成果発表を行うとともに、オープンアクセスジャーナルへの掲載費として使用する。
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[Book] 新版 生活健康科学 (第2版)2022
Author(s)
小田切 陽一[編著], 小山 勝弘, 東 賢一, 城戸口 親史, 山北 満哉, 望月 宗一郎 [共著]
Total Pages
215
Publisher
三共出版
ISBN
978-4-7827-0811-8