2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Innovative Building Education System Based on VR and Practical Exercises to Enhance Motivation for Learning
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21K18526
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
位田 達哉 国士舘大学, 理工学部, 講師 (40434279)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | VR / 建築施工教育 / 作業能率測定 / 脳活動計測 / 学生製作 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,大学中途退学者の増加が問題となっており,修学意欲喪失を退学理由とするケースが顕著である。この解決のひとつに身体感覚を伴う体験型授業が有効であると考えられるが,建築学において体験型授業と親和性の高いと考えられる建築工事現場での学修は,安全面から座学のみに留まっている。 本研究は,大学生の修学意欲向上を図るための革新的な体験型授業の創出を試みるものであり,建設現場の経験工学に基づいた人工現実感(VR)建設現場シミュレータによる仮想演習と,VR建設現場を模擬した施工演習とのハイブリッド型の建築施工教育システムを構築し,その学修効果や意欲の変化を視覚性課題遂行時の注意機能から検証するものである。 本年度は,下記の2点について研究を進めた。 (1)建築系大学生を対象として,作業能率の実態および製作活動が作業能率に及ぼす影響 について測定した。その結果,建築系大学生の作業能率についての現状として,時間・動作回数共に付随作業や非作業の割合が高く,個人差が大きいことなどの傾向があることがわかった。また,製作活動による作業能率への影響として,付随作業や非作業が減るだけでなく,習熟によって学生の個人差が収束に向かう傾向にあることがわかった。 (2)現実には危険のないVR建設現場シミュレータを試作し,そこで被験者に代表的な建築作業を仮想体験させるとともに,不定期に発生する労働災害を体験させるシステムを構築した。その際,脳波および脈波のモニタリングによって自律神経系の機能解析および心拍変動解析を行い,視覚性課題遂行時の注意機能のデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学生の作業能率測定や,VR建設現場シミュレータもVR環境の構築に関してはほぼ計画通りの進捗であるが,脳波・脈波の取得データが膨大となり十分な解析までに至っていない。生体情報の取得方法については確立できてはいるが,このデータの解釈が不十分のため,やや遅れているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに取得した生体情報の解析を最優先に進め,現実・VRで起きた事象と生体情報との因果関係を分析する。事象発生時に生体情報に変化があるのは明らかであるので,取得した生体情報のうち視覚性課題遂行時の注意機能と相関のある特性値を明らかにする。 これに加えて,現実の製作体験とVR上の仮想体験を作業能率測定と生体情報の観点で比較し,それぞれの利点欠点を明らかにして教育目的に合わせた活用方法を整理する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,当初予定していた学会発表のための出張ができなかったたために次年度使用額が生じた。 この予算執行にあたっては,HMDや製作資材といった被験者が手に触れる消耗品の購入に充て,引き続き感染症防止を図りたい。
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Research Products
(3 results)