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2022 Fiscal Year Research-status Report

協調学習における主体的な学びの調整を状況に応じて支援するエージェントの開発と評価

Research Project

Project/Area Number 21K18527
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

望月 俊男  専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 江木 啓訓  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30422504)
石井 裕  岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (30372642)
加藤 浩  放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
久保田 善彦  玉川大学, 教育学研究科, 教授 (90432103)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2024-03-31
Keywords協調学習 / 議論 / 共調整学習 / エージェント / 批判的ディスコース分析
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,協調学習において,状況や他者との関わりの中で発現する学習者のパフォーマンスを即時に分析し,学習者が学びの自己調整 (よりよく学ぶために,次に取り組む学習活動を計画し,実行すること)を主体的・即興的に考えられるように助言するエージェントを開発し評価することである。具体的には,協調学習の対話を通した学習場面を対象として,プロ トタイプを構築し,評価することを目的とする。
本年度は,新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなったため,前年度に改良を進めたシステムを用いて,エージェントを用いた実験や授業実践を行い,データ取得を行った.エージェントの動きは前年度に検討してきたグループの累積発話比率のシャノンエントロピーを指標とした方法に改良した.その改良の結果、エージェントの動作によって議論中の発話の均衡が促されるなど,期待される効果が一定程度みられることがわかった.一方,前年度に,エージェントが学習者の自己調整・社会的共有調整を促す存在として変化・受容されていくプロセスが重要であると考えられる知見が見いだされたことから,エージェントと学習者間の関係性構築過程を分析するために,批判的ディスコース分析を用いて,エージェントのいる学習者間の協調的議論を分析した.その結果,学習者のエージェントに対する最初の印象は様々で,エージェントの促しに対して無視・反論することもあった.だが,学習者がエージェントの能力と可能性を認識すると,エージェントの促しに従って議論に参加するようになった.このように,効果的な調整の促しを実現するために,エージェントとそれをとりまく状況や文脈をデザインする研究の必要性が見いだされた.
これらの研究成果は日本教育工学会全国大会,ヒューマンインタフェース学会研究会,HAIシンポジウム,インタラクション2023にて発表し,国際会議CSCL2023で発表予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4年度は,新型コロナウイルス感染症の影響が多少改善し,学習者同士で対話する場面でのデータ取得や試行錯誤が可能になったことから,エージェントを用いた様々な取り組みができるようになってきた.また,令和3年度末に開催した日本教育工学会SIG「協調学習・学習科学」の研究会をきっかけに,批判的ディスコース分析によりエージェントと学習者間の関係性を分析する新しい方向性が萌芽し,この方向性での研究が進展した.一方で,当初予定していた生理指標等を取得して促しに反映する研究については,令和4年9月にヨーロッパ教授学習学会のSIG会議に参加してフィードバックを得たところ,生理指標をどう捉えるかの研究が依然十分進んでいないことなどから,あまりpromisingではないとの助言が得られたほか,生理指標を取得するためのマイクロコンピュータの生産状況が悪く,手元での十分な検討ができていないことが課題となっている.一方で,令和4年度に実施した授業実践のデータ取得・分析と,令和4年度末に招へいしたFreydis Vogel氏(ハンブルグ大学)との研究協議の中で,エージェントとの協調的議論を通した共調整方略の獲得・発揮が促される条件や環境について,一定の方向性が理論的にもデータ的にも見いだされてきた.

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は最終年度にあたるため,エージェントを用いた授業実践を通して,学習者の共調整が促される条件について確認を行う.国際会議CSCL2023における発表とフィードバックを得て,本研究のとりまとめを行う.本研究課題の挑戦的性質を考慮し,当初検討していた生理指標の活用等については引き続き可能な範囲で検討を行い,知見を見いだしていく.

Causes of Carryover

生理指標の取得デバイスとして当初から検討していたマイクロコンピュータの市場流通が新型コロナウイルス感染症の影響で非常に少なくなってしまい、その購入やシステム開発に充てることができなかったため。次年度には多少なりともこの領域に関する調査・研究開発を進められることを期待して計画している。

  • Research Products

    (12 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Int'l Joint Research] カルガリー大学(カナダ)

    • Country Name
      CANADA
    • Counterpart Institution
      カルガリー大学
  • [Journal Article] CGキャラクタを用いた多様なうなずき動作に対する印象評価2022

    • Author(s)
      北村 美和子,黒川 智司, 石井 裕, 渡辺 富夫
    • Journal Title

      ヒューマンインタフェース学会論文誌

      Volume: 24(4) Pages: 249-262

    • DOI

      10.11184/his.24.4_249

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 注意喚起の動作フィラーを用いたファシリテーションエージェントの印象評価2023

    • Author(s)
      菅本 祐也,石井 裕,望月 俊男,江木 啓訓,横田 真斗,小畠 弘暉
    • Organizer
      HAIシンポジウム2023
  • [Presentation] 議論における発話の均等化を促す議論支援エージェントシステム2023

    • Author(s)
      居原田 梨佐, 西村 龍之介, 菅本 祐也, 石井 裕, 望月 俊男, 江木 啓訓
    • Organizer
      インタラクション2023
  • [Presentation] Development of a Web-based Interview Support System Using Characters Nodding with Various Movements2022

    • Author(s)
      Ishii, Y., Kurokawa, S., Kitamura, M., & Watanabe, T.
    • Organizer
      International Conference on Human-Computer Interaction
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Web会議における聴講者の代役としての身体引き込みエージェントの開発2022

    • Author(s)
      片山 翔太,西山 悠,片岡 真吾,石井 裕,渡辺 富夫
    • Organizer
      ヒューマンインタフェース学会研究会
  • [Presentation] エージェントとの対話機能を持つ歴史文化案内システムの開発2022

    • Author(s)
      近藤 景成,石井 裕,渡辺 富夫
    • Organizer
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2022
  • [Presentation] 社会的孤立感の緩和を目的としたおもちゃのCGシミュレーションを用いた印象評価2022

    • Author(s)
      草替 悠希,北村 美和子,鈴木 暁,石井 裕,渡辺 富夫
    • Organizer
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2022
  • [Presentation] 他グループの議論から異なる観点を提示するグループ学習支援システム2022

    • Author(s)
      居原田 梨佐,村岡 泰成,西村 龍之介,横田 真斗,石井 裕,望月 俊男,江木 啓訓
    • Organizer
      日本教育工学会2022年秋季全国大会(第41回大会)
  • [Presentation] 3次元対話支援エージェントと学習者集団との関係形成過程2022

    • Author(s)
      望月 俊男,江木 啓訓,石井 裕,結城 菜摘,久保田 善彦,加藤 浩,竹内 身和
    • Organizer
      日本教育工学会2022年秋季全国大会(第41回大会)
  • [Presentation] グループ学習における発話の抽象度を利用した議論の発散・収束の推定2022

    • Author(s)
      西村龍之介,居原田梨佐,平良世良,江木啓訓
    • Organizer
      日本教育工学会2022年秋季全国大会(第41回大会)
  • [Funded Workshop] LS Japan Research Meeting 2023 March「CSCLスクリプトによる学び:協調問題解決と知識構築を支援する」2023

URL: 

Published: 2023-12-25  

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