2021 Fiscal Year Research-status Report
ポストコロナ時代における異文化ネットワーキングに基づく協働型主体的学習モデル
Project/Area Number |
21K18533
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 正幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40287967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 真晃 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (30379028)
山下 遥 上智大学, 理工学部, 助教 (90754797)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 能動学習 / ポストコロナ / 異文化ネットワーキング / 主体的学習 / 協働型学習 / ネパール / 異文化交流 / 教育効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ネパールをフィールドとして展開する「学生主体型海外連携教育プログラム」を実証的評価の場とし,ポストコロナ社会を想定した異分野・異文化協働型の主体的学習モデルを提案することを目的としている。 2021年度は,新型コロナウイルス感染症の影響を受け,日本側の研究チームや学生達の海外出張,並びにネパール学生の来日プログラムが実施できない状況に加え,日本とネパールの双方でコロナ禍の社会状況が大きく変動し,当初予定していた研究交流活動が困難となった。このような状況下,我々の研究チームでは,2021年8月にネパールと日本をオンラインでつないで,リアルタイムのオンラインシンポジウムを企画して実施し,一定の成果を得ることができた。このオンラインシンポジウムでは,お互いの国の新型コロナウイルス感染症の影響や社会動向について,双方の大学生が調査し,プレゼンテーションを行い,活発な意見交換が行われた。その成果として,日本とネパール間のリアルタイムの通信環境も問題とはならず,有効な学生交流手段となり得ることが明らかとなった。 また,2021年12月に,スリランカの女性たちが立ち上げたソーシャルビジネスを題材に,現地の様子を取材したスリランカ人ジャーナリストから報告を受け,日本の大学生ならびに社会人が参加するオンラインディスカッションを実施した。本研究におけるネパールとのオンラインでの交流・研究のヒントになるものとして位置づけ,様々な知見を得ることができた。 オンライン形式で実施したシンポジウムのノウハウや経験は,今後の日本-ネパールの両国を繋いだ教育プログラムの設計に対して様々な知見を提供してくれており,今後の研究の発展に結びける予定である。特に,両国の交流が戻った後においても,対面でのフィールドプログラムの前後において,オンライン形式での研究会や勉強会が教育効果を発揮することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,ポストコロナ社会を想定した異分野・異文化協働型の主体的学習モデルを提案し,実証的にその効果を検証することを目的としているが,2021年度は依然として新型コロナウイルスの影響が残っており,様々な制約を受けた中での研究活動を強いられた。特に,日本側の研究チームや学生達の海外出張,並びにネパール学生の来日プログラムの実施が実施できない状況が続いたことに加え,日本とネパールの双方において,新型コロナウイルス感染症の影響が悪化し,当初予定していた研究交流活動が困難となった。 このような中,2021年8月に日本とネパールをオンラインで結び,リアルタイムのオンラインシンポジウムを実施したことは成果として挙げられるが,その後,再び新型コロナウイルス感染症の社会状況が両国で悪化したため,その後に続く活動が計画できなかった。特に,2022年3月にも,オンライン形式で日本-ネパールを繋いだプロジェクトを企画していたが,新型コロナウイルス感染症の影響が双方のメンバーと家族に及んだために実施困難となり,延期を余儀なくされた。これらの取り組みは,2022年度以降に実施予定であり,その中でポストコロナ社会を見据えた異文化交流プログラムの有り方について,引き続き研究を深める予定である。 また,上述のような理由により,学会などにおける研究成果の発表についても,2021年度は計画を立てることが難しかった。この点については,2022年度は改善し,積極的に研究成果の発表を計画する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,ネパールをフィールドとした「学生主体型海外連携教育プログラム」を実証的評価の場とし,ポストコロナ社会を前提とした異分野・異文化協働型の主体的学習モデルの提案を目的としている。そのため,対象教育プログラムが「学生」,および「大学」に与えた影響について詳細な追跡評価を行う。その際,対象教育プログラムの効果と重要な機能を正しく現状評価することに加え,さらに有効な学生主体型教育プログラムを設計するための「あるべき姿(To Beモデル)」を明らかにする。この分析結果をベースに研究組織全体で徹底的な議論を行い,「あるべき姿(To Beモデル)」の構築を行う。構築されたTo Beモデルは,教育プログラムの設計にフィードバックし,次年度以降のプログラムの設計へと結びつける。また,参加学生のソーシャルディスタンスを確保するために,研究代表者が長年主査を務めてきた早稲田大学・理工総合研究所のプロジェクト研究「次世代elearningに関する研究」の成果を援用し,情報技術を最大限に活用したフィールドワークの方法論について徹底的な検討を行う。具体的には,以下の流れで取り組む。 (1) アンケート調査/インタビュー調査:対象教育プログラムの長期的観点の教育効果として,構造化した自由記述回答項目を交えたアンケート調査を設計し,卒業生に対する追跡調査を実施する。 (2) 定量的実績調査:15年間に渡って本教育プログラムを実施した結果について定量的な評価と分析を行う。 (3) To Beモデルの構築およびプログラムへの反映:以上の対象教育プログラムの長期的観点からの分析結果をベースとし,メンバー全体で「あるべき姿(To Beモデル)」を検討する。 以上により,情報技術を最大限に援用したモデルを発展させることで,ポストコロナ社会下で可能となる異分野・異文化協働型主体的学習モデルをデザインする。
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Causes of Carryover |
2021年度は,新型コロナウイルス感染症の影響が当初の想定よりも残り,ネパールと日本の両国間でのプログラム実施に多大な影響があった。そのため,2021年度中に予定していた様々なプログラムが延期となり,2022年度以降に実施する方向で調整中となっている。また,研究成果の発表のための国際会議参加や国内学会参加にかかる出張旅費についても,殆どの学会が実施延期やオンライン実施となったため,支出がなされなかった。これらの研究活動に必要となる旅費については,2022年度は必要に応じて計画を進める予定である。 加えて,2021年度に予定していたネパール人研究者の研究補助業務についても,ネパール側の新型コロナウイルス感染症の状況悪化を受けて,調査活動等の計画が困難な状況となり,延期とせざるを得なかった。この研究補助者との研究活動についても,2022年度は4月の段階から綿密な研究の計画を進めており,可能な限り,年度内の適正な雇用と支出を進める予定である。
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Research Products
(3 results)