2021 Fiscal Year Research-status Report
自助力を能動的に促進させる総合的な防災教育プログラムの開発
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21K18538
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
高村 秀史 日本福祉大学, 全学教育センター, 助教 (30737945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 大介 日本福祉大学, 全学教育センター, 助教 (00756562)
村川 弘城 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (90736761)
矢崎 裕美子 日本福祉大学, 教育・心理学部, 講師 (50634094)
新美 綾子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (90735466)
山本 克彦 日本福祉大学, 福祉経営学部, 教授 (60342143)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 防災教育プログラム / 自助 / 共助 / アクティブラーニング / 防災キャンンプ / フェーズフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年頻発化・甚大化する傾向にある自然災害に対して、【自助力を能動的に促進させる総合的な防災教育プログラム】の開発を目的としている。 プログラムの開発には開発・検証・修正を重ねる必要がある。しかし、当該年度は2020年度から全世界を襲ったCOVID-19の影響で、研究計画にある「防災キャンプ」「防災ゲーム」の実践・検証はもとより、被災地での視察やインタビューによる実践的な研究活動等を行うことが不可能であった。そこで、当該年度は本研究を行う根拠となる、これまでの防災教育に不足していると思われる内容の再検証を中心に、次年度の実践検証やプログラムの効果を測定する尺度の作成に向けた準備を中心に研究を進めた。 再検証では、これまでの防災教育が①自助力よりも共助力の向上に資する傾向にあるのではないか、②広い年齢層を対象に取り組める防災教育プログラムの必要性、③能動的に取り組める防災教育プログラムの必要性、④フェーズフリーの考え方を取り入れ、ふだんの生活にも活かしながら、学びを継続させる必要性などを先行研究などから再検証した。 検証を中心に進めた結果、これまで一括りにされていた防災・減災というキーワードに対する認知が進み、別に考える傾向が見られることから、防災・減災に対する理解を深めるための導入プログラムの必要性や、尺度で測定すべき内容、自助・共助に対する捉え方や関係性などを提供する必要性など、プログラムの開発に修正と補強が必要なことが示唆された。 研究2年目は、COVID-19感染対策の緩和などの社会情勢に注視する。その上で、当該年度で示唆された内容をもとに、尺度の作成やプログラムの修正に必要な視察やインタビューなどを行い、実践と検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度で計画していた内容と進捗状況は以下のとおりである。 【防災キャンププログラム実践・検証】研究代表者が取り組んできた防災キャンププログラムや研究分担者が取り組んできた防災ゲームを、年齢層・性別・地域などの異なる広い範囲の対象者に対して試験的に展開し、アンケートやインタビューから課題の抽出を行う予定であった。しかし、COVID-19に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により実践と検証を行うことはできなかった。 【避難ルートマップ作成プログラムの開発】当初、紙媒体を利用しない避難ルートマップ作成プログラムの開発を志していた。準備として、ICTを使った既存のプログラムや紙媒体を使用したプログラムを実施し、課題の抽出を行う予定であった。しかし、上記内容と同様に、COVID-19の感染症対策により実践と検証を行うことはできなかった。 【関連学会にて中間報告】実践および検証が進まなかったため学会での報告は行わなかった。 【その他】先行研究の確認や検討を中心に、研究計画の変更の必要性や課題等の抽出を行った。プログラムを受講したことによる効果を検証するための「尺度」を作成するための研究会を開催し、内容の検討をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は以下の通りである。 【防災キャンプ・ゲームプログラム実践・検証】2021年度から始める予定だった防災キャンププログラムや研究分担者が取り組んできた防災ゲームを、年齢層・性別・地域などの異なる広い範囲の対象者に対して試験的に展開し、アンケートやインタビューから課題の抽出を行い、プログラムの確立を志す。 【避難ルートマップ作成プログラムの開発】本研究課題に取り入れる、避難ルートマップ作成プログラムの開発準備として、ICTを使った既存のプログラムや紙媒体を使用したプログラムを実施し、課題の抽出を行う。【関連学会での報告】実践および検証の成果を研究代表者、研究分担者の所属する学会において報告を行う。【視察と意見交換】本研究課題の目的である防災教育プログラムの内容を充実させるため、自然災害発生時に必要な知識・技術・道具などの要素の抽出やプログラムに対する意見交換、尺度に必要な要素の抽出などを目的として、被災地への視察や被災経験者へのインタビューなどを行う。また、防災教育プログラムの先進事例の視察やプログラムに対する意見交換を行うため、海外での視察を行う予定である。【開発されたプログラムの社会還元・普及のための仕組みの検討】本研究で開発された防災教育プログラムを一般に還元するための仕組みを検討する。また、得られた知見を研究代表者・研究分担者の所属する学会を中心に報告する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染症対策により、当該年度に行う予定であった防災キャンププログラムの実践・検証に必要な物品(キャンプ用品・撮影等機材・パソコン・タブレット・その他)の購入を次年度に見送った。 プログラムの検証や尺度の作成のための、被災地への視察、被災経験者へのインタビューに必要な旅費と学会参加に必要な参加費や旅費の使用も次年度に見送った。 当該年度に利用できなかった、プログラムの実践・検証に必要な物品の購入や、学会参加や調査のための旅費を次年度に使用する予定である。
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